なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

県立手賀沼公園のオオバン

今日からジャパンバード・フェステバル2012が始まります。そこで、手賀沼会場でいつも観ることが出来る、我孫子市のシンボル「市の鳥」のオオバンを掲載してみます。この写真は、11月1日に撮影した、フェステバル直前のオオバンです。オオバンは、一般的には、夏鳥として飛来し、北海道、本州、九州で繁殖し、冬季になると本州以南で越冬する、冬鳥もしくは留鳥(りゅうちょう)として知られています。手賀沼では、一年中ここに住み着いている留鳥です。冬に渡ってくるオオバンもいるようで、冬は、多少数が増えているようです。

「葦(あし)の間にかがやく沼の水ひろく
雛(ひな)率(ひきい)て浮ける大鷭(おおばん)がをり 」 中西悟堂



閑話休題ジェットストリーム「ベニスの愛」

今日も気楽なイージーリスニングのCDを聴いてみました。このCDも城 達也(じょう たつや)ナレーションのオープニング「遠い地平線が消えて・・・」から始まります。

このCDに録音されているナレーションは、最初の頃のオープニングの詩ではありません。1回〜999回までは、以下の詩が使われていました。

「太陽が沈んでから もう随分(ずいぶん)時が流れました。昼間の雑音と坱(ちり)に汚(よご)された時間は すっかり宇宙の果てしない暗黒の中へ吐(は)き出され 今 私たちのまわりを 音もなく流れている時間は 高度1万メートルの空気のように フレッシュです。地球の自転によって 成層圏(せいそうけん)に起こる壮大(そうだい)な大気(たいき)の流れ ジェットストリーム その神秘な永久運動さえ この純粋な時間の流れの中では 夜の潮騒しおさい)のように 私たちの身近(みじか)に迫(せま)ってまいります。」

当時、私は、1日の仕事を終えて、終電まえに、やっと帰宅する毎日を、おくっていました。寝る前の零時から、ラジオより流れ出る、このナレーションは、どれほど心を慰(なぐさ)めてくれたでしょうか・・・

CDに録音されている詩は堀内茂男氏の作で、上記の詩は、伊藤酒造雄氏の作です。どちらの詩も素晴らしいですが、前に聴いたほうの詩が、私には懐(なつか)しく感じます。

このCDのタイトルの「ベニスの愛」の曲の前には、以下ののナレーションが、ついています。

「水に浮かぶ休止符(きゅうしふ)のように
ゴンドラが舫(もや)いする運河のほとりで
丘(おか)の日常(にちじょう)は つかの間(ま)の夢を見る
若者達が出会い頭(がしら)の恋に落ち
娘達が優しさで胸をいっぱいにするのは
共(とも)にひたひたと心の船縁(ふなべり)をたたく
水の音を聞いているからだ
やがて恋人達は船出(ふなで)するだろう
そして朗々(ろうろう)たる舟歌(ふなうた)を聴くに違いない
終わりのない水の迷路(めいろ)に
なめらかな航跡(こうせき)を曳(ひ)いていく
ゴンドラに乗って」

このCDには、「大いなる西部」「鉄道員」「駅馬車」などが収録されています。特に、「鉄道員」の音楽は、心に沁(し)みる音楽です。『鉄道員』は、初老の特急列車の運転手(ピエトロ・ジェルミ)の家族の崩壊と再生を描いた詩情あふれる名作でした。監督もピエトロ・ジェルミでした。この映画は、末っ子サンドリーノ(エドアルド・ネヴォラ)の視点から描いたもので、この子役の父親を崇拝(すうはい)している直向(ひたむ)きな演技(えんぎ)に魅了されました。フィナーレのクリスマスの夜の家族の再生の場面は忘れられません。このテーマ・ソングは、何年も前に観た映画を今によみがえらせる力をもっています。映画もこの曲も名作ですねぇ〜。