なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

春の妖精ーカタクリ

筑波山には、有名なカタクリの群落があります。今年の1月にこのブログに掲載したハギマシコや、カヤクグリは、この群生地上を飛び回っていました。カタクリは、1月は落ち葉の下の地中で球根の形でいるので、見れませんでしたが・・・。

今年の筑波山の「カタクリ祭り」は、現在開催中で、4月1日〜20日まで筑波山で開催されているようです。

筑波実験植物園の園内の一部に筑波山のコーナーがあります。配布されたパンプレットに「みごろの植物ー今週のベスト3の第1位」が、カタクリでしたので、捜してみましたが、一株だけ咲いていました。

カタクリ(片栗)は、ユリ科カタクリ属の多年草で、比較的日光のさしこむ、落葉広葉樹林の林床に群生し、早春に、下を向いた薄紫から桃色の花を咲かせます。

カタクリのように、春を告げる花を「スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)「(春の妖精、春の儚い命)」と言います。

カタクリは、地中深くに球根の形で越冬し、地上に顔を出すのは、本州中北部では3月、北海道では4月だそうです。雪解け直後に、地上に顔を出し、すぐに花を咲かせます。花はすぐに終わって、本格的な春がくるころには、葉のみとなります。葉も6月ころには黄色くなって枯れ、それ以降は、地中の球根のみとなってそのまま越冬します。地上に姿を見せる期間は約2ヶ月だけのようです。

発芽してから、花を咲かせるまで、10年近くかかり、昔は日本の各地で見ることが出来ましたが、近年では乱獲、盗掘、土地開発などによる、生育地の減少で、野生のカタクリは少なくなっているそうです。



「もののふの 八十(やそ)娘子(をとめ)らが汲み乱(まが)ふ 
          寺井の上の堅香子(かたかご)の花 (万葉集 大伴家持

(注)堅香子(かたかご)は、カタクリの古名