筑波実験植物園のパンフレットの「みごろの植物」中にオキナグサがありました。少し雨のパラツク中、園内を捜してみました。
「オキナグサ」の立札は、見つかりましたが、花は、咲いていないようでした。少し離れた場所で、「オキナグサの花が咲いている。」との声をたよりに行ってみると、オキナグサが咲いていました。
昔は、草地が人の手により維持されていましたが、最近は、草刈などの維持管理が、されなくなって、荒廃したため、オキナグサの自生の場面を、目にすることが難しくなり、幻(まぼろし)の山野草とさえ呼ばれているそうです。
今では、あちこちで、絶滅の危機にさらされていて、環境庁により“絶滅滅危惧植物Ⅱ類”に指定されているようです。
花が終わった後、白く長い綿毛がある果実の集まった姿を老人の頭にたとえて、翁草(オキナグサ)と名付けられたとのこと。
花言葉は「何も求めない」「背信の愛」「告げられぬ恋」
オキナグサは、万葉のころから「ねっこ草」として、歌に詠まれているほど、当時はよく知られていた山野草のようです。
「 芝付(しばつき)の御宇良崎(みうらさき)なる ねつこ草
相見(あいみ)ずあれば 我(あ)れ恋ひめやも 」
(万葉集 作者未詳)
(注)芝付の御宇良崎は神奈川県の三浦半島
近代でも、斎藤茂吉は、この草を好んでいたようです。
「 おきなぐさ 唇ふれて 帰りしが
あはれ あはれ いま思い出(いで)つも 」 (齊藤茂吉 赤光)