なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

チューリップ

春の花壇(かだん)の主役の花は、チューリップです。最近、あちこちでチューリップを見かけます。

「チューリップ」の歌は、幼いころよく歌いました。   

この歌は、近藤宮子さんが、昭和5年(1930年)に作詞したものです。 この作者は、「なにごとにも良いところがあるものです。」という思いをこめて作詞したとのことです。

チューリップの花言葉は、「博愛、真摯(しんし)な愛、愛の告白、不滅の愛」です。
チューリップは人びとのあいだに愛をはこんできた花なのです。

でも、皆に愛される花のチューリップは、それゆえに、人々の「欲望」の対象にもなりました。
著名な経済学者ガルブレイス著の「バブルの物語」や、エドワード・ チャンセラー著の「バブルの歴史」 で、近世ヨーロッパの三大バブル(「チューリップ・バブル(オランダ)」、「南海泡沫事件(イングランド)、「ミシシッピ計画」(フランス))のうちの「チューリップ狂時代」という投機(とうき)の時代が紹介されています。

チューリップ・バブル(蘭: Tulpenmanie、英: Tulip mania, Tulipomania 1634年〜1637年)は、ネーデルラント連邦共和国(オランダ)で起こった世界最初のバブル経済事件です。オスマン帝国から輸入されたチューリップの球根に人気が集中し、珍しい球根が、ビール工場と交換されるほどの異常な高値がつきました。その後、価格は暴落して、オランダ諸都市は、大混乱に陥りました。

現代でも金融資本市場の不安定化によるバブルとクラッシュ(崩壊)は、くりかえし起きていて、ほとんどすべての場合、バブル崩壊の結果として金融仲介業者(銀行、証券会社やヘッジファンドなど)が破綻(はたん)し、クレジットクランチ(信用収縮)が起きて、ハードランディング(硬着陸)することを繰り返しています。

人間の「欲望」の怖さを感じます。自然の美しさを楽しむことも、度が過ないことが肝要ですね。

周知のように、我が国の経済もグローバル経済の中で発展していかざるを得ません。日銀の金融緩和による円安や、政府のTPP参加活動など、グローバルな環境で共存して生きていくためには、「チューリップ」の歌の精神ー相互敬愛ーが必要では、ないでしょうか?

個人の欲望をコントロールすることでさえ困難なのに、国家間の欲望の制御は、なおさら困難が予想されます。人間に叡智(えいち)は、あるのでしょうか?