ベニマシコ(紅猿子)が、4〜5羽、秋楡(あきにれ)の木にやってきました。秋楡の白い種子を口いっぱいに頬張って食べています。
秋楡の木は、9 月頃に淡黄色の両性花(一つの花に雄しべと雌しべをもつ花)を束生(見かけ上が束のようになっているつき方を)し,翼果(翼のある実)は 、11 月頃に淡褐色に熟します。
この実は、冬には乾燥して、白くなります。この冬の白い実がベニマシコの好物のようです。
「ましこ」は、漢字で「猿子」と書きます。猿の古名を「まし」と言ったそうで、ニホンザルの顔のように赤い鳥なので、「ましこ」と呼ばれたそうです。つまりマシコとは猿の顔のように赤い鳥をさすのですが、アトリ科の赤い鳥、ベニマシコ、オオマシコは、鎌倉時代では区別されずに一様に「ましこどり」もしくは「ましこ」と呼ばれ、オスは特に「てり(照)ましこ」とよばれたようです。
ベニマシコは、スズメとほぼ同じ大きさ(全長15cm)の可愛い小鳥です。ベニマシコのオスもメスも一緒に地面に降りて、お互いにくっついたり、飛び跳ねたりしながら、草の実を食べています。チョコ・チョコ、ホッピングしながら、動いたり、立ち止まったりする姿は、とてもユーモラスです。
私は、毎年、冬になるとこの赤い鳥に会いたいと願っていますが、なかなか会えません。今年も2〜3回会うことができましたが、メスのベニマシコしか撮影できていませんでした。
今回、やっと薄紅色(うすべにいろ)のオスのベニマシコと胡桃色(くるみいろ)のメスのべニマシコを撮ることができました。
メスのベニマシコも可愛いのですが、赤いオスのベニマシコを撮影しないとベニマシコを撮った気分になれません。今日は、オスのベニマシコに会えて、撮影できたので、とても嬉しい1日になりました。
「時雨(しぐれ)こし
梢(こずえ)の色を思へとや
枝にもきゐる てりましこかな」 (「寂蓮」 夫木和歌抄 )