手賀沼遊歩道で綺麗(きれい)な囀(さえず)り声がきこえてきました。
あたりを探してみるとホオジロが囀っています。
大きな口を開けて「我が世の春」をしきりに囀ります。
聴(き)いていてもこちらまで楽しくなってきます。
ホオジロは、冬の日でもよく晴れた日には木の枝で囀りますが、春になるとオスは草木の上に止まってしきりに囀ります。
さえずりの節回しはユニークで「ピッピチュ・ピーチュー・ピリチュリチュー」などと聞こえるようです。
このホオジロの鳴き声の聞きなしとして「一筆啓上仕候」(いっぴつけいじょうつかまつりそうろう)「源平つつじ白つつじ」などが知られています。
春の青空の下でホオジロが囀っているのをのんびり眺めていると、平和に過ごしている幸せを感じます。
でも平和なときでも
中国の古代王朝の殷(いん)の創始者の湯王(とうおう)が沐浴(もくよく)の盤に刻んで自(みずか)らの戒(いさ)めとした言葉「湯王の盤銘(ばんめい)の句」を思い出す必要があるのかもしれません。
「湯王の盤銘の句」 『大学』伝二章
「苟日新、日日新、又日新」
(まことに日に新たに、日々に新たに、また日に新たなり)
(解釈)
北宋の時代の「資治通鑑(しじつがん)」で有名な歴史家、司馬光(しばこう)の注釈によれば
「君子の学は、必ず日に新たなり。日に新たなる者は、日に進むなり。日に新たならざる者は、必ず日に退く。未だ進まずして退かざる者はあらざるなり」とのことです。
今日も一日良き日でありますように!
「高槻(たかつき)のこずゑにありて
頬白(ほおじろ)の さへづる春と なりにけるかも」
島木赤彦 (太虚集)