新潟県松之山付近ではサンショウクイ(山椒食)によく出会います。
でも、この付近には「チゴモズ」や「ブッポウソウ」などの「サンショウクイ」以上に稀少な鳥がいるので、どうしても影が薄くなってしまいます。
そのため、最初のうちは撮影意欲があるのですが、そのうち意欲が半減してしまいます。
しかし、この鳥も稀少な鳥で、環境省レッドリストで絶滅危惧II類(VU)に指定されています。
サンショウクイもなかなか人気のある鳥で、細長くスマートで白と黒のコントラストが美しい鳥なのです。
サンショウクイは、夏鳥として渡来し日本で繁殖する鳥で、かつては、山里に初夏の訪れを告(つ)げるあたりまえの鳥だったそうで、以前は東京都区部や明治神宮でも繁殖していたとのことです。
ところが、今では、越冬地などの開発による自然破壊のせいなのか、生息数は減少していて、観察できる機会は少なくなっている鳥なんだそうです。
サンショウクイは、全長20センチでスズメより大きくセキレイとほぼ同大の鳥です。一日の大半を上空を飛び回ったり、高い木の上で過ごしているとのことです。
チゴモズも、姿が色白で、全長19センチで、高い木にとまる鳥なので、サンショウクイを遠くから見ると間違えそうになりますね。
サンショウクイの名前の由来(ゆらい)は「ヒリヒリン、ヒリヒリン」という鳴き声から来ているそうです。
その鳴き声は、「ヒリリー」と聞こえ、山椒を食べた「ピリリと辛(から)い味(あじ)」が連想されたことに由来するとのことです。
「古事記(こじき)」の神武天皇(じんむてんのう)の条に「山椒(さんしょう)の実を食べて口(くち)ひひく」という記述があるようです。
「鳴きなきて 木(こ)の間(ま)づたひに
近づける 山椒喰を われは見にけり」
(半田良平 「幸木」)
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