台風一過、利根川下流のアシ原に高らかにウグイスの鳴き声がひびきわたります。
鶯は、(略)夏・秋の末まで、老い声に鳴きて、
「虫喰ひ」など、良うもあらぬ者は、名をつけ替へていふぞ、
口惜しく、くすしき心ちする。
夏のウグイスは、古来、「老鶯(ろうおう)」などといわれ、春のきれいなな鳴き声が衰え「ムシクイ」などとさげすまれているのを清少納言は、嘆いているのですが、実は、夏のウグイスは、熟練した鳴き声のウグイスも多く、「鶯老を啼く(うぐいすおいをなく)」は、熟練したうぐいすの堂々たる歌唱をいうようです。
ここのウグイスもとても上手に「ホウホケキョ」と鳴いていました。
こちらもつられて口笛で鳴き声を真似をしてみたら、縄張りが荒らされたのかと思ったのか、隠れて鳴いていたウグイスが突然姿を現してさえずりました。
カメラを構えたら、びっくりしたようで、逃げられてしまいました。
ほんの一瞬のことでした。
「ひとりきくや 夏鶯の(なつうぐいすの)
乱鳴(みだれなき)」
(夏目漱石)