なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

ウグイス老を啼く

台風一過、利根川下流のアシ原に高らかにウグイスの鳴き声がひびきわたります。


    鶯は、(略)夏・秋の末まで、老い声に鳴きて、
   「虫喰ひ」など、良うもあらぬ者は、名をつけ替へていふぞ、
    口惜しく、くすしき心ちする。


                 清少納言 「枕草子


夏のウグイスは、古来、「老鶯(ろうおう)」などといわれ、春のきれいなな鳴き声が衰え「ムシクイ」などとさげすまれているのを清少納言は、嘆いているのですが、実は、夏のウグイスは、熟練した鳴き声のウグイスも多く、「鶯老を啼く(うぐいすおいをなく)」は、熟練したうぐいすの堂々たる歌唱をいうようです。

ここのウグイスもとても上手に「ホウホケキョ」と鳴いていました。

こちらもつられて口笛で鳴き声を真似をしてみたら、縄張りが荒らされたのかと思ったのか、隠れて鳴いていたウグイスが突然姿を現してさえずりました。

カメラを構えたら、びっくりしたようで、逃げられてしまいました。

ほんの一瞬のことでした。






      「鶯や 竹の子藪に 老いを鳴く」 (松尾芭蕉



      「ひとりきくや 夏鶯の(なつうぐいすの)
                  乱鳴(みだれなき)」


                     (夏目漱石