利根川下流のコシ原のヨシの先端でかん高い声でしきりにさえずっている鳥がいます。
「ピッ、ピッ、ピッ、ジョッピリリ」わりにか細い声で鳴いています。
コヨシキリです。
コヨシキリは、すずめより少し小さくて全長13.5cm(すずめは14.5cm)で、オオヨシキリに似ていますが、白い眉斑が明瞭でその上に黒い線があり、口を開けると黄色なので(オオヨシキリは赤い)見分けられます。また、コヨシキリは、オオヨシキリより可愛い顔をしています。
このコヨシキリは、何度も同じヨシにとまってさえずっています。
ここがお気に入りのソングポストなのでしょう。
ここで、さえずるのが今の彼の仕事なのでしょうね。
元気いっぱい、頑張ってさえずっていました。
「よし切の こゑも坂東太郎(ばんどうたろう)かな」
諸九尼(しょきゅうに)
注:坂東太郎は利根川の別称で、江戸初期の随筆「東路記」(1685年)に
「坂東第一の大河なり。故に此あたりの人は坂東太郎と云」とあるそうです。