「時雨(しぐれ)こし
梢(こずえ)の色を思へとや
枝にもきゐる てりましこかな」 (「寂蓮」 夫木和歌抄 )
注)てりましこ:鎌倉時代よりベニマシコとオオマシコとは区別されず猿子、猿子鳥と言われ、オスの赤い鳥を照猿子鳥(てりましこ)と詠んだそうです。
「雪の嵯峨塩深沢林道のオオマシコ(その1)」を2月20日、(その2)を2月の23日掲載して以来、掲載していなかった(その3)を今回掲載します。
中里介山(なかざとかいざん)の未完の大作「大菩薩峠(だいぼさつとうげ)」で有名な山梨県の大菩薩峠に近い「嵯峨塩深沢林道」のオオマシコ・シリーズも今回で完結します。
少し春めいた天候も一変し3月10日11日と連続で北海道・北陸が暴風雪の大荒れとなり、東名・名神の高速や各地の高速も雪の為、一時通行止めになるなど大混乱しています。3月12日、最終ランとなる「トワイライト・エクスプレス」の運行も危ぶまれています。
そこで、長らく掲載していなかった「雪の嵯峨塩深沢林道のオオマシコ」を思い出して掲載することになりました。
高山に渡来するオオマシコは、降雪の中でもエサを探して動きまわらなければなりません。
オオマシコのエサは、草木の種子や実を採食するので、これらは雪が降ると雪の下に隠れてしまいます。
前日降った雪は、オオマシコの好むエサのほとんどを覆い尽くしてしまっています。
オオマシコは、こんな厳しい環境の中越冬しているのです。
雪深い木立の中から雪で覆われた地上の中、辛くも雪に覆われていない場所を探して菜食しようとしています。
長時間、エサをさがしていましたが、ようやく見つけたようで木立の中から降りてきました。
大きくて固そうな茶色の実をクチバシにくわえて得意そうな顔をしています。
ずいぶん苦労して獲得した貴重な獲物なのでしょうね!
この実はずいぶん固いようでアトリの仲間のもつ強靭(きょうじん)なクチバシでも噛み砕く(かみくだく)ことが大変なようです。
それでも頑張って、噛み砕くことができたようです。
めでたし!めでたし!
これで「雪の嵯峨塩深沢林道のオオマシコ」は終了です。
以下の写真は、EOS 7D Mark IIに EF-70-200mm F2.8L IS II USM×2倍テレコン付のレンズを装着し,オート・フォーカス+AIサーボ高速連写で手持ち撮影しました。