干潟にセイタカシギの小さな群れがいました。
家族なのかもしれません。7羽います。
右の1羽がクチバシで羽をせわしなくしごいています。
古人は、それを「鴫の羽掻き(しぎのはがき)」とか「百羽掻き(ももはがき」)と言って数の多いことのたとえとしたそうで、暗(あん)に恋人を待ちながら何度も寝返りを打つような表現に使われたようです。
「暁(あかつき)の しぎのはねがき もゝはがき
君がこぬ夜は 我ぞかずかく」
(古今和歌集 よみびとしらず)
(意訳)
明け方、シギがする「鴫の羽掻き」や「百羽掻き」のように、あなたがおいでにならない夜は、せつなくて一人で何度も何度も寝返りをうって耐え忍んでいます。
そういえば、セイタカシギのこの仕草(しぐさ)は、少し色っぽく感じますねぇ〜。
セイタカシギたちは、それぞれエサを探していましたが、そのうちの1羽がエビのようなエサをみつけたようです。
一旦、水に戻しましたが、すぐに飲み込んでしまったようです。
でも食べていないような様子も感じます。
ひょっとしたら、セイタカシギは、「鷸蚌の争い(いっぽうのあらそい)」 (「戦国策」燕・昭王)の故事による「漁夫の利」を避けたのかもしれませんね。
7羽のセイタカシギたちは、のんびり仲良く採食していました。
「春の海 ひねもす のたりのたりかな」 (与謝蕪村)