なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

トウモロコシ

近所の畑でトウモロコシが、大きく美味しそうに育っています。

最近は、朝取りのトウモロコシも八百屋の店頭で見かけるようになりました。

トウモロコシは、モロコシ、トウキビ、コーンなどいろいろな呼び方があります。

日本に伝来したのは、1579年(天正7年)に、コロンブスがアメリカで発見しヨーロッパに持ち込んだトウモロコシをポルトガル人が伝えたとのことです。

到来植物の「トウモロコシ」の漢字表記は、トウは中国の古代王朝の唐(とう)に、モロコシは、唐土(もろこし)から伝来した植物の「蜀黍(モロコシ)」に由来するそうで、「唐蜀黍」と表そうとしましたが。唐の意味がダブルので「唐」を黄色の実を表す「玉」に置き換えて漢字で玉蜀黍(とうもろこし)と表記するようになったそうです。

関西などの方言でいう「なんば」は南蛮黍(なんばんきび)の略称であり、高麗(こうらい)または高麗黍(こうらいきび)と呼ぶ地域もありますが、これらはいずれも外来植物であることを言い表しています。

私の子供の頃、過ごした場所(中部地方)では、「こうらい(高麗)」と呼んでいました。

戦後の食糧難の時期、我が家では、借りた畑で「こうらい」を植えて収穫していました。

その頃の「こうらい」の実は、歯抜けになっていることも多く、現在のトウモロコシのように甘くは、なかったのですが、焼いたり、茹でたりして、よく食べました。

今ほど、お菓子や果物が豊富には、ない時代だったので、毎年夏に「こうらい」が食べれるのを心待ちにしていたと記憶しています。

家の近くの畑で元気に育っているトウモロコシを見ていたら、子供の頃の記憶が蘇(よみがえ)ってまいりました。



「しんとして 幅廣き街(はばひろきまち)の
       秋の夜の 玉蜀黍(とうもろこし)の 焼くるにほいよ」

                         (石川啄木








閑話休題:星団「ヒミコ」について


7月7日は七夕(たなばた)です。七夕には「織姫」伝説がありますね。

つまり、琴座のベガと呼ばれる織女(しゅくじょ)星と鷲(わし)座のアルタイルと呼ばれる牽牛(けんぎゅう)星の二つの星は旧暦7月7日に天の川をはさんで最も光り輝いているように見えるため、中国では、この日を一年一度のめぐりあいの日と考え、織姫伝説が生まれました。

旧暦7月7日は「織姫」ですが、新暦の7月7日には、最近発見された星団「ヒミコ」が、新伝説といえるのかもしれません。

星団「ヒミコ」は2009年に「すばる望遠鏡(ハワイ島)」でカーネギー研究所の大内正己が率いる国際研究チームによって発見された謎の天体で、「古代宇宙に輝く天体」として邪馬台国の女王「卑弥呼」の名前が付けられました。

また、2013年、宇宙誕生初期の巨大天体「ヒミコ」は、一直線に並んだ3つの星団を巨大な水素ガス雲が包み込んでいる構造をしていることが、東京大学宇宙線研究所の大内正己准教授や国立天文台、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターなどの共同研究で分かったそうです。

この3星団は合体してさらに大きな天体を形作ろうとしているところで、銀河が作られる最初の過程を明らかにする上で重要な成果とのことです。

「ヒミコ」は「くじら座」の方向、129億光年離れた遠方にある非常に明るい巨大なガス雲で、137億年前に宇宙が誕生してからわずか8億年後のものだそうです。

「ヒミコ」の広がりは5万5,000光年と、われわれの太陽系がある“天の川銀河”の半径にも匹敵する大きさで、同時期に存在した一般的な天体に比べて約10倍も大きい。さらに、太陽の数百億倍という大質量をもつことが分かってきましたが、これほど巨大なガス雲を高温で輝かせるエネルギー源などについては謎のままだったそうです。

研究チームは、チリ共和国にある電波望遠鏡アルマ望遠鏡」やハッブル宇宙望遠鏡スピッツァー宇宙望遠鏡を使って詳しく観測した結果、「ヒミコ」は巨大なガス雲の中に、3つの星団が一直線上に長さ2万光年以上にわたって並んでいて、さらに活発な星の形成の様子も観測され、1年間に太陽の質量の約100倍におよぶガスが星に変化していることが明らかになったとのことです。この激しい星形成活動がヒミコのガス雲を温めるエネルギーとみられるようです。

その一方、アルマ望遠鏡による電波観測では、星が活発に作られている「爆発的星形成銀河」で観測される固体微粒子が発する電波や、星形成活動度の指標となる炭素原子ガスが出す電波がいずれも検出されなかったそうで、重い元素からなる固体微粒子や炭素原子が検出できなかったことは、「ヒミコ」は水素やヘリウムを主体とする、まさに「形成中の原始銀河かもしれない」とのことです。

いまや、宇宙を見る望遠鏡は、はるか宇宙の果てに近い星たちを見ているようです。

浮世のことから離れて、星空を見てみると、この世のことが、とても小さく見えてきますね。