なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

おしろいばな

「 白粉(おしろい)の 花ぬつてみる 娘かな」   (小林一茶


おしろいばな(白粉花)は、南アメリカ原産で、江戸時代初期には渡来していたとのことなので江戸時代の俳人小林一茶も俳句に詠(よ)めたのですね。

「おしろいばな」の名前の由来は、「熟した黒いタネをつぶすと白粉(おしろい)のような 白い粉が出てくる」ことから、江戸時代の博物学者、貝原益軒(かいばらえきけん)が名づけたとのことです。
おしろいばなは、夕方 から芳香を放って咲き、翌朝にしぼみます。日中は常に花は閉じているため夕化粧(ゆうげしょう)ともいわれるようです。 英名でもFour-O'Clock(フォー・オクロック)4時に咲く花といわれているそうです。

写真の花は、まだ明るい午後3時過ぎには、咲いていました。





閑話休題-故南部陽一郎シカゴ大名誉教授の「対称性の自発的破れ」について


現在の素粒子物理学の基礎を築いた世界的な科学者で、2008年にノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎(なんぶ・よういちろう)米シカゴ大名誉教授が7月5日午後8時12分、急性心筋梗塞のため大阪市内の病院で死去したとのニュースが7月17日に流れました。94歳でした。

そこで、現在でも多くの研究者に影響を与えている素粒子論の原理のひとつである南部博士の「対称性の自発的破れ」について記述してみます。

南部博士は誕生間もない真空状態の宇宙の対称性が破れることで素粒子が減速し多様な物質の結合につながったと考え、ヒッグス博士はこの対称性の破れた真空場の理論を発展させてヒッグス粒子を提唱しました。

ヒッグス粒子」は、1964年にピーター・ヒッグスが提唱したヒッグス機構にて出現する粒子であり、2012年に欧州CERN(セルン)の大型ハドロン衝突型加速器LHC)を使って発見されました。

神の粒子と呼ばれる「ヒッグス粒子」は、南部博士の理論がその提唱の背景にあったようです。

昔は、物質の最小単位は「原子」だといわれていました。ても原始は原子核と電子からなり。その原子核も陽子と中性子からなりというようにさらにさらに細かく研究が進みました。

それ以上細かく分けられない粒子を「素粒子」といいます。科学の中で、このようなミクロの世界を研究する分野を「素粒子論」といいます。

現在の素粒子論は、以下の3つの原理によって成り立っています。

カイラル対称性
・ゲージ対称性
・対称性の自発的破れ

つまり南部博士の「対称性の自発的破れ理論」は、素粒子論の基礎の基礎なのです。それなくしては素粒子論が成り立たないという、極めて重要な理論であるわけです。

以前、NHKで「神の数式」という番組が放映されました。

そこで、倒れる鉛筆が意味するところの「自発的対称性の破れ」が南部陽一郎博士の発見であることが紹介されて、それがヒッグス粒子の発見と素粒子の数式の扉を開けるきっかけになったことが述べられていました。

ヒッグス粒子の発見により素粒子の標準モデルは完成しましたが。重力も含めた「大統一理論」つまり「神の方程式」の完成は発展途上にあります。

南部博士の理論は現代の研究者に大きな影響を与えてきたようです。南部博士の理論は、この「対称性の自発的破れ理論」だけでなく現在の「超弦理論」の基礎となった「弦理論」の功績も忘れられません。

現在、「神の数式」にもっとも近づいているのは「超弦理論」といわれています。

南部博士の理論は多くの継承者によっていつか実を結ぶことになるのかもしれません。


ご冥福をお祈りいたします。 合掌!