なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

霞ヶ浦付近のハスの花

ハス田のハスの葉っぱの間にハスの花が顔を出しています。

霞ヶ浦湖畔(かすみがうらこはん)には「ハス田」が広がり7月下旬から8月上旬にかけて白やピンク色の花が咲き誇ります。

この辺りはハス田ばかりで、土浦市(つちうらし)はレンコン生産量日本一を誇っているそうです。

ハスは蓮と書き、ハスの花は蓮華(れんげ)ハスの根は蓮根(れんこん)といいハスの葉は荷葉(かよう)といいます。

蓮華はインド原産で、白・赤・黄・青の4種があり、内、白・赤は、「ハス」のことで、黄・青は「スイレン」を指します。

蓮華は、泥中から出た清い華(はな)のイメージから、古来、多くの宗教のシンボルとされてきました。

仏教では泥水の中から生じ、清浄な美しい花を咲かせる姿が仏の智慧や慈悲の象徴とされ、最高位の仏様(ほとけさま)である如来(にょらい)の台座(だいざ)は、蓮華をかたどった蓮華座(れんげざ)です。

諸法実相(しょほうじっそう)を説く諸経の王(しょきょうのおう)と言われている法華経(ほけきょう)の正式名、妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)でいう蓮華とは、白蓮華(びゃくれんげ)のことです。白蓮華を「しろれんげ」と読むとシロツメクサとなりハスとは違う花となるので注意が必要です。

白蓮華は花の中でも最も清く美しい花だとされ、清らかなところに咲く花ではなく、むしろ濁った泥沼に根をはわせ、その濁りに染まることなく美しい花を咲かせます(泥中不染 でいちゅうふせん)。

濁った水とは、苦しみに満ちた世界である世間(せけん)を指し示し、美しい花は悟り(さとり)を意味します。

法華経(15章)にある壮大なスケールで有名な従地湧出品(じゅうじゆじゅっぽん)に、「世間の法に染まざること蓮華の水にあるが如し」と説かれています。

また、浄土真宗(じょうどしんしゅう)の開祖、親鸞聖人(しんらんしょうにん)は「教行信証(きょうぎょうしんしょう)」の中で世俗の聖者の活躍を説いた維摩経(ゆいまきょう)を引用して以下のように説いているそうです。

「もっとも尊ばれる蓮(はす)の華(はな)は、実は、誰もが理想とするような、明るくて風通しのよい、すがすがしい場所に育つのではないのです。そうではなくて、誰からも遠ざけられるような、汚らしくてジメジメとした泥沼にこそ、蓮の華は咲くのです。」と。


お盆といえば、蓮の花ですね。「盆飾り(ぼんかざり)」や盆菓子(ぼんがし)などに蓮の花に似せて作ったものを用いたり、提灯(ちょうちん)の絵柄(えがら)に蓮の花を描いたものを使ったり、お盆の行事の様々な場面に蓮の花が見受けられます。


お盆の時期に咲いている「白い蓮華」を見ていると、心が清められるようなすがすがしさを感じますね!