一月最後の日曜日の午後、手賀沼から流れ出る手賀川の流域にある中沼田付近の上空に下流から精悍な鷹が現れました。
羽をV字に保ち、時々羽ばたきながら鋭い目で下の獲物を探しながら悠然と飛んでいます。
絶滅危惧IB類(EN)(環境省レッドリスト)の「ヨシ原の王者」チュウヒです。
途中でカラスたちがチュウヒを追いかけましたが、チュウヒにまったく追いつけません。
チュウヒはスピードを上げ遥か彼方に飛び去っていきました。
3月中旬を思わせる暖かい冬の午後が静かに過ぎ去って行きました。
さて、「冬の鷹」に関しては心温まる言葉「ぬくめ鳥」があります。
冬の寒い夜、鷹は、小鳥を捕らえてつかみ足をあたためます。
捕らえられた小鳥はまんじりともしないで夜を明かします。
でも、その翌朝、鷹はその小鳥に恩義を感じて、その小鳥を食べないで放し、その飛び去った方向へその日は行かないそうです。
[遙(はる)かなる 行方(なめがた)の冴(さ)えや ぬくめ鳥」 (松瀬青々)
意訳:ぬくめ鳥が飛び去った後の空は、遥か先まで冴え冴えと澄み切っています。