なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

渡良瀬遊水地のヨシ原で巧妙な狩をするチュウヒ

2月7日日曜日の渡良瀬遊水地は、よく晴れていましたが、遥か彼方の雪を戴いた連山から吹き降りてくる寒風は、ビュー・ビューと車を揺らすほど吹き荒れていました。

ご存知のように、渡良瀬遊水地は、東京から60キロメートルに位置し、群馬、栃木、埼玉、茨城の4県の県境にまたがる日本最大級の遊水地です。

広大なヨシ原が特徴で、貴重な動植物が数多く確認され、ラムサール条約湿地に登録されています。

ちょうどお昼を過ぎたころ、ヨシ原の鷹「チュウヒ」が現れました。

鋭い猛禽の目で下の獲物を探して旋回しています。

チュウヒの顔は平面的であり両眼で獲物を見ることができ、その顔盤は集音しやすくなっていて獲物を探すときには視覚だけでなく聴覚も利用しているようです。

このチュウヒは、すぐに獲物を見つけたようで、オオタカノスリよりもかなり長い足を下ろし捕獲体勢に入りました。

これはという時に力を込めたのか脱糞してしまったようです。

そのためかどうか分かりませんが、獲物に逃げられたようで、足を元に戻して、旋回して遠くに飛んでいってしまいました。

それでもよほど悔しかったのか?チュウヒはあきらめないで遠くを飛び回っていましたが、ついにヨシ原に飛び込みました。

でも、すぐにその場所で飛び上がり2〜3度ヨシの中に飛び込みを繰り返した後ヨシ原に姿を消しました。

なかなか上がってこないので、その近くを見ていると飛び込んだ場所から少し離れた場所から出てきました。

ヨシ原の中のことは写真では分かりませんが、その間に起きた出来事を推測してみると、このチュウヒは、2〜3回、獲物に攻撃をしかけ、ダメージを与え、弱った獲物をヨシ原の下を歩いて追いかけ、しとめた場所で獲物を食べた後、浮上したのではないでしょうか?

このチュウヒは、先に獲物に逃げられたのを教訓にして、一度にしとめないで、連続攻撃する巧妙な狩の方法に変更し、成功したのではないでしょうか?

鷹も人も「考える」ことによって「問題が解決できる」のではないでしょうか?


ふと、IBMのスローガン 「THINK(考えよ)」を思い出しました。

コンピュータの世界的企業の「IBM 」の礎(いしずえ)を創ったのはトーマス・J・ワトソンという人物です。

「THINK(考えよ)」は、ワトソンが、金銭登録機の世界的企業「NCR」(エヌ・シー・アール)の営業・広告本部長だったとき、当時、低迷していた営業部門を立て直すために述べた

「開闢(かいびゃく)以来、考えることはあらゆる前進を生み出す源だった。『考えていませんでした』というのでは、世界に何百万ドルもの損失を与えてしまうことになる。」

という言葉に由来するモットーであり、私が新入社員のころ耳にたこができるほど教え込まれた言葉でした。


参考

THINKのプレート(以下の英文はIBMのネット記事より引用しました。ー記事には、机の上のプレートの写真がありますが、ここでは省略)

THINK Sign

The "THINK" motto was developed by Thomas J. Watson, Sr., three years before he joined the forerunner of today's IBM in 1914. By the early 1930s, THINK began to take precedence over other slogans in IBM, and it appeared on signs such as this in IBM plants and offices, and in company publications, calendars and photographs all over the the world.