なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

朝の谷中湖からの眺望と舞い降りるダイサギ

2月下旬の晴れの朝、谷中湖からは、雪をいただいた日光連山と柔らかい光に包まれた筑波の峰々がよく見えます。

穏(おだ)やかな風が作り出す漣(さざなみ)は、優しい光に反射して煌(きらめ)き、谷中湖を横切る橋の前に咲いている、可憐な白梅の蕾(つぼみ)たちは、きたるべき豊穣(ほうじょう)の糧(かて)を約束しています。

碧空(へきくう)を飛ぶ、冬羽の誇り高きダイサギは、一日の始まりを告げています。。

いつの間にかダイサギは高度を下げ、キラキラ光る「さざなみの湖面」を滑るように飛んでいます。

ダイサギは大きな翼を大胆に広げ、谷中湖の湖面に静かにふんわりと舞い降りました。




「こちふかば にほひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春をわするな」
菅原道真 拾遺和歌集
意訳:梅の花よ! 東風が吹いたら、匂いを配所・大宰府の私のもとまで届けておくれ。主人がいないからといって、春を忘れないようにね)


「春の夜の 闇はあやなし 梅の花 色こそ見えね 香やは隠るる」

(凡河内躬恒 おおしこうちのみつね 古今和歌集

 意訳:春の闇は分からないことをするものですね、梅の花の色は隠せますが、香りは隠せるものでしょうか、やっぱり隠せないですよね)


「春はまだ 寒き水曲(みわた)を 行きありく 白鷺の脚の ほそくかしこさ」北原白秋


意訳:冬も終わりの空気の澄んだ早朝、川をあるく白鷺を見かけました。冷たく寒々とした川のよどみを細い脚で歩く白鷺の姿は、なんと凛(りん)とした立派な姿なんでしょう。


絶句 杜甫
両箇黄鸝鳴翠柳
一行白鷺上青天
窓含西嶺千秋雪
門泊東呉萬里船


絶句 杜甫
両箇(りょうこ)の黄リ(こうり) 翠柳(すいりゅう)に鳴き
一行(いっこう)の白鷺(はくろ) 青天に上(のぼ)る
窓には含む西嶺(せいれい) 千秋の雪
門(かど)には泊(はく)す 東呉(とうご)万里の船

意訳

二羽のコウライウグイスが緑の柳で鳴いています。
一列の白鷺が青い天に上っていきます。

窓の向うには西嶺(せいれい)の万年雪が見え、
わが家の門のところには東方の呉からはるか万里の旅をしてきた船が泊まっています。


谷中湖からの日光連山の眺望

谷中湖からの筑波の峰々の眺望

谷中湖を渡る橋の前に咲いている白梅

以下はダイサギ