なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

平磯海岸で飛び回る美男子のイソヒヨドリ

ひたちなか市にある平磯海岸は、古代方の地層が隆起に伴って緩やかに傾斜し、さらに、礫岩、砂岩、泥岩からなる岩石のうち、軟らかい部分が海食によって選択的に削られ、北へ30〜40度傾斜した白亜系那珂湊層群の岩礁が連続して分布する現在の海岸に至っています。

この景勝の地に姿の美しいオスの綺麗なイソヒヨドリが棲んでいるようです。

今年、3回この海岸に行きましたが毎回見ることができました。

毎度、撮影していますが、今回が一番たくさん撮影しましたので一挙に掲載することにしました。

イソヒヨドリは、日本では全国の海岸、主として岩場に生息する留鳥なのですが、昨今では埼玉県や千葉県の市街地でも観察されています。

日本では海辺の岩場に住んでいるのでこの名前が付きましたが、ユーラシア大陸ではヒマラヤ山脈に、アフリカ大陸ではアトラス山脈の標高の高い岩場に生息しているようです。

大きさ、形とも「ヒヨドリ」によく似ていますが、ヒヨドリ科ではなく、ツグミ科に分類されています。英名ではBlue Rock Thrush(=青い岩つぐみ)というそうです。

また、イソヒヨドリの属名のMonticolaは、ラテン語の山の住人で 種小名のsolitarius一人のという意味だそうで、「山で群れないで一人で暮らす鳥」というイメージのようです。


「磯鵯(いそひよ)や 諸鳥いまだ 加はらず」         (森田峠)


イソヒヨドリという名前は従来の日本ではふさわしかったのですが、これからは違う和名が必要なのかもしれません。

オスのイソヒヨドリは美しく、頭部、喉から背中にかけてコバルトブルーの鮮やかな青色がよく目立ちます。また腹部から下尾筒にかけては、レンガのような赤褐色をしていますので、遠くから見ても派手な色彩バランスをしています。



平磯海岸のイソヒヨドリは磯の岩場を餌場にしているようで、今回も岩の上に姿を現し、すぐに磯に降り、餌を探して、小さな岩に飛び移り、またすぐに岩の洞窟のそばに飛んで、コバルトブルーの残像を残して洞窟の中に消えてゆきました。

平磯海岸の磯にいるイソヒヨドリは、名前どおりの典型的な「日本のイソヒヨドリ」ですね。