なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

羽ばたく荒川のハクガン

ビロードキンクロの第4回目連載は後回しにして,昨年,千住新橋付近の荒川に飛来したハクガンの幼鳥3羽の今を3月16日に撮影してきましたので掲載します。

ちょっと「おさらい」のために、以下に昨年11月初旬に掲載した私のブログの説明を見てみましょう。



首都圏に52年ぶりとなる珍客のハクガン3羽!

1800年代後半までは、東京湾に飛来する普通の冬鳥だったハクガンは1940年代頃には「群れとしてのハクガン」の飛来は途絶えてしまったそうです。

東京新聞によれば、

山階鳥類研究所の茂田良光さんの話では「東京湾周辺では1957年12月から翌年3月まで 越冬して以来。幼鳥3羽一緒も国内では珍しい」

とのことです。

ハクガンは、今では絶滅危惧IA類(CR)(環境省レッドリスト)に指定される希少種なのです。



ハクガンは、カナダ北部、アラスカ州ウランゲリ島、シベリア東部で繁殖し、冬季になると北アメリカ大陸西部へ南下し越冬するそうですが、日本には越冬のためごくまれに飛来(冬鳥)するだけのようです。

たとえば、昨年11月22日付近の宮城県伊豆沼の内海の雁の飛来数は、13万7千羽で、そのほとんどがマガンであり、そのうちハクガンは極少数(数羽?)が飛来していたようです。

このようにめったに見られないハクガンが長い間、荒川に3羽も滞在してくれたのです。


このハクガンの幼鳥3羽は、すくすくと育って、とても元気にしています。

この冬、荒川の河川敷で、3羽は仲良く元気に越冬してくれたようです。

グレーの羽もかなり白くなり黒いクチバシも少しピンク色になってきました。

だんだん成鳥になっていくようです。

3羽は相変わらず一緒に行動していてこの場所が第2の故郷のような気分で過ごしているのでしょうか?

今年の秋にこの場所を思い出して来訪してくれるといいですね。

もうそろそろ北帰行の時期なので、羽ばたきの練習をしているのか、3羽のうちの1羽が大きく羽ばたきました。

羽を広げるともう立派な成鳥のような迫力を感じます。

その横で見ている2羽のハクガンは、羽ばたいているハクガンよりもかなり小さく見えますが、実際は、ほぼ同じ大きさです。(注:ハクガンの大きさは全長66-84センチメートル翼開張132-165センチメートル)

羽ばたくと、とても大きく見えます。

横で仲間が羽ばたいていても、他の2羽はしらんぷりなので、この3羽は、もう少し滞在してくれるのかもしれません。


「帰る雁  田毎(たごと)の月の  曇る夜に」   (与謝蕪村