一般に歌に詠まれるシギ(鴫)といえば昔からタシギ(田鴫)のことを言ったようです。
冬の渡り鳥であるタシギは秋に北の方からやってきて、春の終わりごろ再び北の方へ帰って行きます。
関東地方で春先に見かけられるタシギは、恐らく繁殖地へと向かう途上の旅鳥で、真冬に見かけるタシギは越冬中の冬鳥と思われます。
多分、このタシギは旅の途中のシギのようで、この日は手賀沼のヨシの茂みでクイナやバン、オオバンと一緒に採食していました。
いつもタシギがやってくる頃、手賀沼遊歩道では土筆(つくし)がにょきにょき顔を出します。
胞子を飛ばした土筆はそのうちに枯れていつの間にか何も無かったかのような手賀沼遊歩道になります。
土筆が消えた頃にはタシギもいつの間にか姿を見せなっています。
「立てば淋し 立たなば淋し 鴫一つ」 (正岡子規)
「あづさゆみ 春は寒けど 日あたりの
よろしき處 つくづくし萌ゆ」
(斉藤茂吉)
タシギ
土筆