なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

再掲・サギソウとコサギ

以前の8月に掲載した「サギソウとコサギ」をそのまま再掲します。


真夏の昼下がり、草原の草むらにひっそりとサギソウ(鷺草)が咲いています。

サギソウには、東京に悲しい伝説が残っているそうです。ちなみに、サギソウは世田谷区の「区の花」に指定されています。

[鷺草伝説]

戦国時代、世田谷城主の吉良頼康は、奥沢城主大平出羽守の娘常盤(ときわ)姫を側室として迎え、仲睦まじく過ごすうち、常盤はめでたく懐妊しました。

ほかの側室たちは、懐妊した常盤をねたみ、「殿のお子かどうか疑わしい」と、頼康につげ口をしてしまいます。 

頼康はだんだん冷たい仕打ちをするようになり、悲しみに暮れた常盤は、「死んで、身の潔白の証しにしよう」と奥沢城の父にあてて遺書をしたため、姫が可愛がっていた1羽の白鷺の足に遺書を結びつけて奥沢の方角へ放ちました。

ちょうどそのころ、狩りをしていた頼康は、この白鷺を見つけ射落としてしまいます。足についている文を不審に思って、開いてみると、姫から父への「遺書」であり、驚いた頼康は、急ぎ城に帰ったが、時すでに遅く常盤は自害し果てた後でした。

一方、使命半ばにして倒れた、無念の白鷺は、その地に「鷺の飛翔する姿の花」を咲かせる草になったそうです。

サギソウは、今では、準絶滅危惧(環境省レッドリスト)に分類される貴重な草花になっています。

比較のため、依然に撮影したコサギの写真を掲載します。
なるほど、よく似てますねぇ〜。


サギソウ

コサギ