なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

蜜柑.

手賀沼遊歩道の脇に小さな蜜柑(みかん)の木が一本植えてあります。

今たたわわに実をつけています。

まだ青いのですが、これから黄色く熟してくるのでしょう!

この蜜柑を見ていると、芥川龍之介の小品「蜜柑.」を思い出しました。(ここに出てくる蜜柑は、熟れた蜜柑ですが・・・)

この小品には、当時の社会が色濃く現されています。

横須賀線蒸気機関車の中で、3等車の切符(懐かしい言葉ですね!)を持った田舎の娘が2等車の窓を開ける光景が描かれています。

東京に奉公に行く小さな娘が、自分を見送るために線路側で待っている子供たちに蜜柑を投げ与えるシーンがとても印象的でした。

今は、物資が豊富な経済的に恵まれた時代なのですが、貧しい時代に持っていた「優しい心」は、どこかに行ってしまったのでしょうか?

きっと、いまでも一人ひとりの心の中に「優しい心」が残っていると思いますが・・・