手賀沼遊歩道の脇に小さな蜜柑(みかん)の木が一本植えてあります。
今たたわわに実をつけています。
まだ青いのですが、これから黄色く熟してくるのでしょう!
この蜜柑を見ていると、芥川龍之介の小品「蜜柑.」を思い出しました。(ここに出てくる蜜柑は、熟れた蜜柑ですが・・・)
この小品には、当時の社会が色濃く現されています。
横須賀線の蒸気機関車の中で、3等車の切符(懐かしい言葉ですね!)を持った田舎の娘が2等車の窓を開ける光景が描かれています。
東京に奉公に行く小さな娘が、自分を見送るために線路側で待っている子供たちに蜜柑を投げ与えるシーンがとても印象的でした。
今は、物資が豊富な経済的に恵まれた時代なのですが、貧しい時代に持っていた「優しい心」は、どこかに行ってしまったのでしょうか?
きっと、いまでも一人ひとりの心の中に「優しい心」が残っていると思いますが・・・