なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

宇宙と秋の花のコスモス

吹き抜ける秋風にコスモスの花がゆれています。

揺れているコスモスを見ていると宇宙のことが気になりました。

花名のコスモスは、ギリシア語の「kosmos」(意味は、美しさ、調和、宇宙など)に由来するそうです。

ところで、宇宙という言葉は、紀元前2世紀(前漢時代)頃の思想書「淮南子(えなんじ) 巻十一 斉俗訓」の中に出てくるそうで「往古来今謂之宙、四方上下謂之宇」と書かれおり、読み下すと「往古来今これ宙という、四方上下これ宇という」となります。

「往古」とは過ぎ去った昔のことで、「来今」とは、これから来る今、つまり、現在を含む未来ということで時間を意味します。また、「四方上下」とは、前後左右上下の全方向のことで空間を意味します。

つまり宇宙は、時間と空間の4次元の世界で表現され、一般に私たちの宇宙観とほぼ同じと考えられます。

以前の物理学の世界では、宇宙の謎がニュートンの力学やアインシュタイン一般相対性理論でうまく説明できたのですが、ハッブルの観測によって宇宙が膨張していることがわかると全体の宇宙を説明できなくなってきたようです。

つまり最初の宇宙はとても小さな世界であり、今でもどんどん膨張しているようなのです。

また、「kosmos」という言葉を生んだ古代ギリシャには、「ウロボロスの蛇」という終わりも始まりもない完全なものの象徴があります。

これは自らの尻尾を噛んで輪になった蛇の図柄で、極小の世界を説明する素粒子物理学の世界とニュートンアインシュタイン理論との関係に当てはめることができます。

蛇の頭が宇宙、そこから尻尾に向かって銀河、星、地球と事物を小さくしていくと、蛇の胴体の真ん中あたりが人間、それから細胞、分子、原子、原子核素粒子と続き、また宇宙に戻ります。

つまり、素粒子という極小の世界の研究は宇宙という極大の世界を研究することにつながるのです。

マクロの世界とミクロの世界の融合が宇宙を説明できる理論となるようです。

アインシュタイン理論と素粒子理論の統合する理論が求められているようです。

以前、NHKスペシャル「神の数式」で現在進行中の数式が紹介されていましたが、まだ大統一理論と呼ばれる方程式は完成していないようです。

いま、その理論に一番近いと期待されているのが超弦理論(ちょうげんりろん)だそうですが、その世界は13次元の世界なのです。

私たちは13次元の世界を想像することはできません。

現代物理学の宇宙は私たちの想像する宇宙とは大きく異なっているのかもしれません。

コスモスの花は揺れているだけで何も答えてはくれません。



「色即是空 空即是色」!(般若心経)


「憂きも一時 嬉しさも
思い覚ませば夢候よ

何ともなやなう何ともなやなう
うき世は風波の一葉よ

何しようぞ くすんで
一期は夢よ ただ狂へ」 (閑吟集