なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

青空を雁行するオオヒシクイ

田んぼから飛び立ったオオヒシクイは、一旦、遠くに飛び去り再度田んぼの上空に舞い戻り隊列を整え雁行を始めました。

晩秋の大空に飛ぶオオヒシクイたちは見事に連携し陣形を組んで飛翔しています。


雁行(がんこう)と言うのは、空を飛ぶ雁の列やその形を言い、兵法の八陣のひとつでもあります。八陣と言うのは、中国の兵法で、古くから唱えられた8種類の陣立てです。

日本では、ふつう、平安時代大江維時(おおえのこれとき)が唐から学んだという、魚鱗(ぎょりん)・鶴翼(かくよく)・長蛇(ちょうだ)・偃月(えんげつ)(または彎月(わんげつ))・鋒矢(ほうし)・方円(ほうえん)・衡軛(こうやく)・雁行(がんこう)の8種の陣形で、その他に孫子呉子のもの、諸葛亮(しょかつりょう)の考案したものなどがあるようです。



蛇足ですが、諸葛亮は、 中国の三國志で有名な諸葛孔明(しょかつこうめい)で、その陣形は、「八陣の法」(八卦の法)と言われていて

地陣、鳥陣、風陣、虎陣、竜陣、天陣、蛇陣、雲陣の八つの陣をいうそうです。

孔明が敵と戦う時、孔明八卦の陣を組み、それを微妙に変化させて相手を撹乱、敵をせん滅したとのことです。


また、甲斐の武田家が、中国の諸葛孔明が作ったとされる「八陣の法」をもとに考えられたものを武田八陣形と言い、その中の「雁行の陣」は、雁が群れをなして飛んでる様子を形にした陣形で列の真中あたりに大将を位置することが多く、敵の動きに応じ、臨機応変に他の陣形へと変えていくことができますが、消耗戦に弱く、長時間の戦闘では不利となるそうです。

ちなみに、有名な第4次川中島の合戦の陣形は、武田軍は八幡原で鶴翼の陣形で待ち受け上杉軍は、その陣形を「車懸かりの戦法」で突き破ろうとしましたが、武田軍の「啄木鳥(きつつき)の戦法」で挟み撃ちになり、春日山に引き上げました。



この地のオオヒシクイは田んぼで寝ていることが多く、まれに集団で飛ぶことに出会うことができます。

その時が、その陣形を見るチャンスです。

今回は、そのチャンスに恵まれ、とても幸せな一時を過ごすことが出来ました。


以下の写真はLEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 ASPH. / POWER O.I.SをOLYMPUS OM-D E-M1 のボディに装着して35ミリ換算800ミリF6.3ズームとして手持ちで撮影してみました。