なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

手賀沼遊歩道のホオジロ

 

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上の写真は、キヤノン7DマークⅡにSIGMA 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSMの標準ズームを装着して撮影しました。

 

10月29日快晴。手賀沼遊歩道の梢にホオジロが休んでいました。

 

喫茶去  「君知るや南の国(ミニヨン)」


皆さんは「夢と現実」どちらが美しいとお思いでしょうか?

私は、夢のほうが美しいように思います。

その理由は、夢は、「いま実現できないことも空想の世界でいくらでも美化できる」からです。

そこで、ゲーテ作「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」のミニヨンの歌

「あの国をご存知ですか Kennst du das LandD321」の歌について述べて見ます。

 

このうたは、薄幸の少女ミニヨンのあこがれの国を歌った美しい歌です。

私は、シューベルトのリートである ます、アヴェ・マリア、野ばらなどともにミニヨンの歌もお気に入りです。

今日は、バーバラ・ボニー(ソプラノ)のCDを聴いてみました。この歌手の歌唱は、なかなかチャーミングな若々しい表現の歌唱でこれもお勧めです。

彼女の Dahin! dahin(あそこへ あそこへ)の歌唱は、憧れを求める切ない乙女心をよく表現していると思います。

夢に関する日本の歌では、「いつでも夢を」 【作詞】佐伯 孝夫【作曲】吉田 正の名曲もありますねぇ〜

この歌は、「夢を持つことの大事さ」を歌っていて。私もよく口ずんでいますが、皆さんもよくご存知の歌なので、今回はドイツ語の訳詩を明治の文豪、森鴎外の抄訳とドイツ文学者の高橋健二の全訳で鑑賞してみましょう。

 

「君知るや南の国 」 (ゲーテ作 森鴎外訳)

 

レモンの木は花咲き くらき林の中に

こがね色したる柑子(こうじミカン)は枝もたわわに実り

青き晴れたる空より しづやかに風吹き

ミルテの木はしづかに ラウレルの木は高く

雲にそびえて立てる国や 

彼方へ

君とともに ゆかまし

 

ドイツ語の原詩(ゲーテ作「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」より)

全訳

        ミニヨンの歌            訳 高橋健二

 君や知る、レモン花咲く国
 暗き葉かげに黄金(こがね)のオレンジの輝き
 なごやかなる風、青空より吹き
 テンニン花は静かに、月桂樹は高くそびゆ
 君や知る、かしこ。
   かなたへ、かなたへ
 君と共に行かまし、あわれ、わがいとしき人よ。

 君や知る、かの家。柱ならびに屋根高く、
 広間は輝き、居間はほの明かるく、
 大理石像はわが面を見つむ、
 かなしき子よ、いかなるつらきことのあるや、と。
 君や知る、かしこ。
   かなたへ、かなたへ
 君と共に行かまし、あわれ、わが頼りの君よ。

 君や知る、かの山と雲のかけ橋を。
 ラバは霧の中に道を求め、
 洞穴に住むや古籠の群。
 岩は崩れ、滝水に洗わる。
 君や知る、かしこ。
   かなたへ! かなたへ
 わが道は行く。あはれ、父上よ、共に行かまし

 

原詩

Kennst du das Land, wo die Zitronen.. (by Johann Wolfgang von Goethe (1749-1832) 
 from Wilhelm Meisters Lehrjahre, Book III, Chapter 1)

 

Kennst du das Land, wo die Zitronen blühn,

Im dunkeln Laub die Gold-Orangen glühn,

Ein sanfter Wind vom blauen Himmel weht,

Die Myrte still und hoch der Lorbeer steht?

Kennst du es wohl?

Dahin! dahin

Möcht ich mit dir, o mein Geliebter, ziehn.

Kennst du das Haus? Auf Säulen ruht sein Dach.

Es glänzt der Saal, es schimmert das Gemach,

Und Marmorbilder stehn und sehn mich an:

Was hat man dir, du armes Kind, getan?

Kennst du es wohl?

Dahin! dahin

Möcht ich mit dir, o mein Beschützer, ziehn.

Kennst du den Berg und seinen Wolkensteg?

Das Maultier sucht im Nebel seinen Weg;

In Höhlen wohnt der Drachen alte Brut;

Es stürzt der Fels und über ihn die Flut!

Kennst du ihn wohl?

Dahin! dahin

Geht unser Weg! O Vater, laß uns ziehn!

 

夢は希望と置き換えてもいいように思います。

絶望の淵にある時や逆境にある時でも、夢を持てば、心安らかに過ごしていけるように思います。夢(希望を持つこと)は、現実に勝るからです。