宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日、探査機はやぶさ2が世界初となる小惑星にクレーターを作る衝突実験に成功したと発表しました。
はやぶさ2は同日午前、小惑星リュウグウへ衝突装置をぶつける実験に挑み、はやぶさ2から分離された小型カメラが撮影した画像が地球へ届き、リュウグウの表面から岩石などが砕けたとみられる物質が飛び散る様子が写っていたそうです。
はやぶさ2は2月にリュウグウへの着陸に成功し、表面の物質を採取できたとみられており、それに続く快挙となりました。
はやぶさ2は5日午前11時ごろに衝突装置、続いて小型カメラを分離(し、爆発の影響から身を守るため、リュウグウの裏側へ退避しました。
衝突装置にはタイマーが付いており、分離から40分後に爆発し、ソフトボール大の銅のかたまりをリュウグウ表面へぶつけました。
JAXAによると、退避は計画通り実施され、探査機の状態は正常だそうです。
小型カメラは、はやぶさ2から分離された後、リュウグウから約1キロ離れた宇宙空間に浮かんだ状態で、衝突装置が爆発し、銅のかたまりがリュウグウ表面に衝突する様子を1秒に1枚のペースで撮影したそうです。
分離後は、カメラの方向やシャッターを切るタイミングなどは調節できないため、衝突の様子を撮影することは難易度が高いとみられていました。
1枚目の写真は、本日朝、はやぶさ2の管制室があるJAXA相模原キャンパス会場で、吉川 真(よしかわ まこと)
JAXA 宇宙科学研究所 宇宙機応用工学研究系 准教授
「はやぶさ2」プロジェクトチーム ミッションマネージャ
が説明しているインターネット映像です。
2枚目の写真は、同日午前10時56分に衝突装置を切り離した数秒後に撮影したもの。写真の左上に丸い衝突装置があり、リュウグウへ向かって下りていく様子が写っていました。
3枚目の写真は、以前、外房の断崖にいた猛禽のハヤブサを再掲しました。
カメラには、リアルタイムでデータを送信するためのアナログカメラと、科学的な分析のため宇宙での衝突実験をより鮮明に記録するデジタルカメラの2台が搭載されていたとのことです。
はやぶさ2が今後の目標も達成するように「元気にはばたくハヤブサの写真(Canon EOS7Dで撮影)」を添付しました。。