なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

梢のキクイタダキ

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    上の写真はキヤノンの一眼レフEOS7DmarkⅡにCANON EF100-400mgm F4.5-5.6L IS II USMを装着して手持ち撮影しました。

 12月8日、「千葉県立房総のむら」の林に数羽の小鳥が飛んで来ました。小さな鳥が松の木の上部をすばしっこく飛び回ります。じっくり止まらず、瞬時に移動します。

一斉に来て一斉に飛び去って行きました。

ほんの一瞬の出来事でした。

カメラのファインダーから覗いて観るとキクイタダキです

 キクイタダキは、飼い鳥のジュウシマツの3分の1か4分の1(10cm )しかなく、体重は3〜6グラムの日本最小の野鳥です。キクイタダキは、個体数が減少傾向にあり国際自然保護連合(IUCN)により、2008年からレッドリストの軽度懸念(LC)の指定を受けているようです。

このキクイタダキの最大の特徴は、頭部に黄色〜オレンジの冠羽(かんう)があることで、開いた冠羽が、菊の花に似ていることから、室町時代に菊戴(きくいただき)と名付けられたそうです。

ヨーロッパルクセンブルグの国鳥で、一般に、ヨーロッパで鳥の王といわれています。キクイタダキは、小さくても「黄金の王冠」をかぶっていて、凛(りん)とした姿なので、そのように呼ぶのでしょうね。

古来、ヨーロッパでは、ミソサザイが、鳥の王様と呼ばれていたのですが、どうも、説話が伝わっていく過程で、混同されたようです。でも、ミソサザイには頭に王冠がないのでキクイタダキのほうが王さまらしいですね‼️

キクイタダキは、「松むしり⌋という名前で歌に詠まれました。

参考 小学館日本国語大辞典』第二版
まつ‐むしり【松毟鳥】〔名〕(カラマツの葉をむしる習性があるところから)鳥「きくいただき(菊戴)」の古名

 

み山ぎの雪ふるすよりうかれきて 軒ばにつたふ松むしりかな (藻塩草) 寂蓮法師

 

ぶらさがりぶらさがりつゝ松毟鳥  川上麦城