なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

菅生沼上空を旋回するチュウヒ

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 上の写真はキヤノンの一眼レフEOS7DmarkⅡにCANON EF100-400mgm F4.5-5.6L IS II USMを装着して手持ち撮影しました。

12月15日晴れ。

菅生沼の上空を「葭原の王者」といわれるチュウヒが旋回していました。

菅生沼は、茨城県坂東市常総市との間に存在する沼です。

下の鴨を狙っているようです。

ゆったりと旋回して、鋭い目で獲物を探しています。

チユウヒは、手賀沼でも、冬になるとよく見かけますが、実は、稀少な鷹なのです。

チュウヒには国内で繁殖・越冬している個体群と、越冬期に大陸から飛来してくる個体群がありますが、国内で繁殖しているつがい数は約90つがいほどといわれています。

蘆原などの生息地の減少もあって、日本だけではなく世界中でも希少種となっています。

わが国の環境省のレッドデータリストでは絶滅危惧1B類に分類されています。

チユウヒの繁殖地は、とても限られているようです。

北海道では石狩川下流勇払原野、サロベツ原野などが知られています。

本州では青森県仏沼、秋田県八郎潟、石川県河北潟三重県木曽岬干拓地です。本州ではこれ以外にいくつかの地点で繁殖したことがありますが、恒常的な繁殖地とはなってはいないようです。

関東近辺の霞ヶ浦・浮島付近でも夏によく見かけられます。

日本での繁殖数は2008年のチュウヒサミットで50~100 つがい程度と推定されています。

稀少種のチュウヒが、こんな場所で出会えるとは思っていませんでした。

無数の鴨たちは、大空に飛んで難を逃れたようです。

このチユウヒは、頭が白い若鳥のようなので経験値が浅いのかも知れません。


あら鷹の 眼血ばしる 吹雪かな  正岡子規 吹雪