なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

実りの秋

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上の写真は、EOS7Dマーク2にCANON EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USMを装着して、手持撮影しました。

9月5日手賀沼湖畔の田んぼの稲も実ってきました。実りの秋がやって来ました。とても悦んているのが雀たちです。

たくさんの雀が稲穂の上を飛び回っていました。

喫茶去

ナットのテンペストを聴く


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ピアニストとしては、明晰なタッチと透徹した造形美を誇るイーヴ・ナットがその最晩年の1953年〜55年に残した名演として世界的に評価の高いベートーヴェン全集です。

イヴ・ナットは1890年12月29日、南フランスのベジエに生まれ、1956年8月31日にパリで没したピアニストです。

 

演奏の素晴らしさは万人が認める通り。中期~後期は勿論、ベートーヴェンの初期のソナタ群がこれほどまでの名曲だったことに改めて気づくと思います。

 

イヴ・ナットはフランス人でありながら、ベートーヴェンシューマンの曲を得意としていました。

 

イヴ・ナットのベートーヴェンは、優美な演奏で安定感を感じることができます。
イヴ・ナットはソロだけでなく室内楽の世界にも熱中し、ティボーやエネスコ、イザイといった巨匠たちと各地で共演を繰り広げ、作曲家の意図する核心に迫り続けていました。

 

ナットのベートーヴェンはこうした室内楽で培った経験の集大成。とても思索的、内省的なベートーヴェンですが、ドイツ系の奏者シュナーベルバックハウスと違ってギリギリで抑制の利いた造形感覚が素晴らしいのです。

 

極めて洗練された優美なベートーヴェンです。


音質もほとんどがモノラル後期のものだけに聴きやすい水準にあり、幸いな事は録音技師にアンドレ・シャルランを迎えた事でモノーラルでありながら、そのピアノの音は瑞々しく気品があり現在聴いても全く古臭さを感じさせない優秀録音です。

 

ベートーヴェンの創作活動において、ピアノ・ソナタは最も重要なジャンルの一つ。19世紀前半におけるピアノという楽器の発展の中で、彼はピアノ音楽の新しい表現方法を追求しました。

 

“ピアノの新約聖書”と称される32曲のピアノ・ソナタは、ピアニストのみならず、ピアノに関わる全ての人間にとって避けて通ることができない、今なお燦然と輝く存在です。

 

テンペスト』の名で知られる第17番は、3楽章全てがソナタ形式というユニークな構成。第1楽章はテンポや強弱の急激な変化や朗詠調のレチタティーヴォなど、まるで朗読を聞いているような大胆な楽想が特徴的。抒情的な第2楽章を挟んで、第3楽章は騎馬の足音から思いついたと言われる16分音符の音型が内なる情熱を孕みながら全編を疾走する、暗い劇的な音楽が本当に美しいです。

 

なお、『テンペスト』という通称は、弟子のアントン・シンドラーがこの曲とピアノ・ソナタ第23番の解釈を尋ねた時、ベートーヴェンが「シェイクスピアの『テンペスト』を読め」と答えたとされるところに由来しているそうです。



 

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カーゾンの皇帝を聴く


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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73《皇帝》

サー・クリフォード・カーゾン(ピアノ)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ハンス・クナッパーツブッシュ

グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 作品16

サー・クリフォード・カーゾン(ピアノ)
ロンドン交響楽団
指揮:エイヴィン・フィエルスタート

録音:1957年6月 ウィーン、1959年6月 ロンドン
《デッカ・オリジナル・リマスタリング

イギリスが生んだ20世紀の名ピアニスト、カーゾンの端正な造型感覚と品格ある演奏を聴くアルバム。《皇帝》は悠揚迫らぬクナッパーツブッシュが指揮する、重厚で芯のしっかりしたウィーン・フィルハーモニーのサウンドも聴きもので、これはデッカのステレオLP第1回新譜の1枚となった記念すべき録音にあたります。(ユニバーサルクラシックス

品のある端正な演奏の皇帝です。

カーゾンもクナもウィーンフィルも一体となって堂々として雄大な演奏でした。

グリーグのピアノも素敵でした。

 

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ベートーヴェン/交響曲全集
アーノンクール:指揮
ヨーロッパ室内管弦楽団


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の中から交響曲7番

を聴く

 

この全集CDは、ニコラウス・アーノンクール指揮、ヨーロッパ室内管弦楽団の演奏を収録した1990、91年ライヴ録音盤です。

 

ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン
交響曲第7番」
指揮:ニコラウス・アーノンクール(Nikolaus Hamoncount)
管弦楽:ヨーロッパ室内管弦楽団
収録:1990-91年オーストリアグラーツ、ステファニエンザールでのライヴ録音

とても素敵な7番です。この全集は気に入っているので、よく聴きますが7番は特にお気に入りです。軽快で録音も優秀で楽しく聴くことができました。

 

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シュタルケル無伴奏チェロを聴く


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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
ヤーノシュ・シュタルケル Janos Starker (Cello)
1992年6月19,20,22-24日 New York,アメリカ芸術文化アカデミー

フルニエとは別な味わいの無伴奏チェロ組曲でず。

シュタルケル無伴奏組曲全集の4回目の録音で、若い頃の凄さはありませんが、落ち着いた端正な演奏でとても素敵でした。

 

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ギレリスのテンペストを聴く


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ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ選集(12CD)
エミール・ギレリス

1972-85年、ステレオ&デジタル録音。旧ソ連の巨匠ピアニスト、エミール・ギレリス[1916-1985]がDGに残したベートーヴェンのピアノ作品レコーディングを集大成したボックス・セット。彼の突然の死によって、ソナタ全集としては5曲を残して未完に終わったとはいえ、ここに収められた27曲は「ベートーヴェン演奏の最高の指針」などなど折り紙付きの名演揃いです。
ここでの力強いタッチ、自信に満ちた表現と堅牢な構築性、そして抑制の効いた男性的な抒情性にはただただ聴き惚れるほかありません。本当に素晴らしいセットです。

ディスク: 1
ピアノ・ソナタ 第2番 イ長調 Op.2-2
ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 Op.7
ディスク: 2
ピアノ・ソナタ 第3番 ハ長調 Op.2-3
ピアノ・ソナタ 第15番 ニ長調 Op.28「田園」
ディスク: 3
ピアノ・ソナタ 第5番 ハ短調 Op.10-1
選帝侯ソナタ 第1番 変ホ長調 WoO.47-1
選帝侯ソナタ 第2番 ヘ短調 WoO.47-2
ディスク: 4
ピアノ・ソナタ 第6番 ヘ長調 Op.10-2
ピアノ・ソナタ 第10番 ト長調 Op.14-2
ピアノ・ソナタ 第11番 変ロ長調 Op.22
ディスク: 5
ピアノ・ソナタ 第7番 ニ長調 Op.10-3
エロイカ」の主題による15の変奏曲とフーガ 変ホ長調 Op.35
ディスク: 6
ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 「悲愴」
ピアノ・ソナタ 第13番 変ホ長調 Op.27-1
ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 Op.27-2「月光」
ディスク: 7
ピアノ・ソナタ 第12番 変イ長調 Op.26
ピアノ・ソナタ 第16番 ト長調 Op.31-1
ピアノ・ソナタ 第25番 ト長調 Op.79
ディスク: 8
ピアノ・ソナタ 第17番 ニ短調 Op.31-2「テンペスト
ピアノ・ソナタ第18番 変ホ長調 Op.31-3
ディスク: 9
ピアノ・ソナタ 第19番 ト短調 Op.49-1
ピアノ・ソナタ 第20番 ト長調 Op.49-2
ピアノ・ソナタ 第29番「ハンマークラヴィーア」
ディスク: 10
ピアノ・ソナタ 第21番「ワルトシュタイン」
ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調「情熱」
ディスク: 11
ピアノ・ソナタ 第26番 変ホ長調「告別」
ピアノ・ソナタ 第27番 ホ短調 Op.90
ピアノ・ソナタ 第28番 イ長調 Op.101
ディスク: 12
ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 Op.109
ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調

今日はテンペストを聴いてみました。

瞑想的な楽句と嵐のような走句との対比が見事な効果を示す、初期の創作活動の最後を飾る《テンペスト》です。

私は、ケンプの弾くテンペストベートーヴェンの友達のように弾く演奏も好きですが、ギレリスのテンペストの特徴をよく表現しているような演奏にも惹かれます。