なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

利根川堤防の彼岸花

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上の写真は、キヤノンEOS7DMARKⅡに
標準ズームレンズ
キヤノンEF-SP18-55mmF3.5-5.6ISSTM
を装着して手持ち撮影しました。
お彼岸の休みに利根川堤防の彼岸花を撮影しました。


去年は、いっぱいの彼岸花に埋め尽くされていたのに今年は草の中に少しだけ顔を出していました。



喫茶去

超限戦(ちょうげんせん)と教育と日本学術会議について


『超限戦』というタイトルの「兵学書」(1999年発表)があります。

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この本は、喬良と王湘穂による戦略研究の共著です。


本書の共著者の喬良氏は中国人民解放軍国防大学教授で空軍少将。魯迅文学院と北京大学を卒業。軍事・経済関係の本だけでなく小説も書いている異色の人です。
もう一人の王湘穂氏は退役空軍大佐で北京航空・宇宙航空大学教授。戦略問題研究センター長。『天下三分の計』『貨幣論』などの著書があるそうです。

 本書はもともと中国で1999年に出版されました。そのときのタイトルは『超限戦――グローバル化時代の戦争と戦法に対する想定』。 

中国本土でベストセラーになり、台湾、香港などでも読まれたそうです。

アメリカ国防総省も翻訳し、アメリカ海軍大学から著者のところに「教材に使いたい」という意向が伝えられたという。

 そして2001年9月11日、アメリカ中枢部へのテロが発生しました。

本書の内容がそれを予測していたということで、いちだんと注目されるようになりました。

事件翌日にはアメリカ軍の将軍の一人が、テレビで視聴者にこう語ったという。

『超限戦』で中国人の将校が提起していた事態が生々しい形で目の前で起きた、あの本を読みなおす必要がある、と。

日本でも直ちに翻訳され、同年12月、共同通信社から単行本として出版されました。

この本は角川新書として復刊されたものです。


 
本書の内容は、欧米軍はもとより、自衛隊で使用されている戦略・戦術の領域を超えたもので、古今の軍学・兵法の枠をはるかに超えるものと言われています。

「超限戦」とは

すべての境界と限度を超えた戦争を言う。

喬良と王湘穂は「超限戦」について、「グローバル化と技術の総合を特徴とする21世紀の戦争は、すべての境界と限界を超えた戦争」だと位置づけ、「あらゆるものが戦争の手段となり、あらゆる領域が戦場になり得る。

すべての兵器と技術が組み合わされ、戦争と非戦争、軍事と非軍事、軍人と非軍人という境界がなくなる」と述べています。

また「超限戦」に含まれる「戦い方」として、通常戦、外交戦、国家テロ戦、諜報戦、金融戦、ネットワーク戦、法律戦、心理戦、メディア戦など25種類を挙げています。

さらに、2人は「『超限戦』においては、目的達成のためには手段を選ばず、徹底的にマキャベリになりきることだ」としています。
そのためには、「倫理基準を超え、タブーを脱し、手段選択の自由を得なければならない」と説いています。

ちなみに、中国は2003年に「中国人民解放軍政治工作条例」を改正し、

「三戦」と呼ばれる
輿論戦」「心理戦」および「法律戦」

の展開を政治工作に追加しました。

これらはいずれも、上記の「戦い方」の中に包含されます。

さて、中国がグローバルに展開する「一帯一路」プロジェクトが将来にわたって求心力を持ち続けるためには、中国に対する理解とシンパシーが必要になってきます。

そのための組織がConfucius Institute
孔子学院)およびConfucius Class
孔子学級)
と呼ばれる学校です。

中国語および中国文化を学ぶための教育機関であり、現地の教育機関(大学など)と提携し、その敷地内に設置されます。

日本でも
早稲田大学早稲田大学孔子学院)や
立命館大学立命館孔子学院)、
桜美林大学桜美林大学孔子学院)など10以上の大学の敷地内に存在します。

Confucius Institute Onlineというオンラインコースもあります。

BBCの記事(2019年9月7日)によると、全世界に孔子学院は548校、孔子学級は1,193校を展開しており、一帯一路参加国のうち51カ国に135の孔子学院と129の孔子学級があるとのこと。
(前掲Education along the Belt and Road)。

孔子学院と孔子学級に対しては中国のプロパガンダ組織という批判を、アメリカの対中強硬派のマルコ・ルビオ上院議員などが行っています。

アメリカのいくつかの大学は「文化と語学教育を隠れ蓑にしたプロパガンダを行っている」として孔子学院との関係を絶ちました。
(ロイター、2019年2月23日)。

また、10月9日のグーグルニュースの記事

(ノンフィクション作家、河添恵子氏寄稿)

によれば

今年4月、スウェーデン孔子学院と孔子課堂はすべて閉鎖され、複数の地方都市が中国との姉妹都市関係の解消に動き出しました。

ダーラナ市は、新型コロナウイルスが発生した武漢市との姉妹都市関係を終わらせ、リンショーピング市は、12月に予定されていた広東省代表団の訪問を「歓迎しない」と断ったとそうです。
(以上)

孔子学院を諜報活動に利用しているという指摘もあります

(「盗まれる大学」ダニエル・ゴールデン、原書房、2017年11月28日)。

一般的に大学や研究機関はプロパガンダやスパイのターゲットであり、中国を批判するアメリカの諜報機関も似たようなことをしているようです。

「盗まれる大学」の
Amazonに掲載されているメディアの書評を以下に掲載します。

普通の留学生がスパイに

いまアメリカの名門大学で起きていること


アメリカの大学では卒業シーズンになると、ジョブフェアがキャンパスで開催される。そこにはCIAやFBIも看板を掲げ、他の一般企業と並んでオープンに職員を募集している。

「私が本に書いたのは、それとはまったく違う、ハーバード大学などアイビーリーグの名門大学で隠密に行われている諜報活動です。

CIAなどは国務省職員というような虚偽の身分を使って大学院生になりすまし、大学に留学している外国人をエージェント(情報提供者・スパイ)としてスカウトしているのです」

著者のダニエル・ゴールデン氏は高等教育の分野に長年の実績があるジャーナリストだ。近年、アメリカの大学を舞台に、諜報戦が激化しているという。

「2012年に発覚したデューク大学で起きた事件の場合、中国人大学院生は端から情報を盗む目的で留学し、その研究室にあった装置の複製を作り、盗んだ情報をもとにして中国で起業し、大成功しています。

大学側は彼の怪しい行動にまったく気づいていませんでした。

いま、アメリカにいる中国人留学生は30万人ほど。

教育の大規模なグローバリゼーションが起きて、留学生が流れ込んできました。

大学はオープンな場なので諜報活動の格好のターゲットになっています」

ハーバード大学ジョン・F・ケネディ公共政策大学院にはアメリカ人が3分の1しかいない。他は外国人留学生。もっともその特徴はアメリカ側にも利益をもたらしているようだ。

「留学生とは言え、多くはその国の政府から派遣されてくる場合が多い。彼らの目的の一つはお互いに人脈を作ること。そこでCIAは虚偽の身分を使ってスパイを送り込み、外国人留学生と親しくなるのです。親日家で有名なジョセフ・ナイ氏のように、政府と大学を出たり入ったりしているアメリカ人もいるので、CIAと気づかれません」

外国人は留学が終わって自国に戻った後、大学で昵懇(じっこん)の間柄になったアメリカ人から連絡を受けて情報提供を依頼されることがあるが、まさか相手がCIA職員とは知るよしもない。本人も知らない間にスパイになっているとゴールデン氏は言う。

「まさに大学というオープンな教育機関を悪用したアメリ諜報機関と外国との情報戦です。防ぐ方法はありませんが、大学がその脅威に自覚的に対応することで、被害の拡大を抑えることができるはずです」

評者:大野和基

(週刊文春 2018年04月26日号掲載)


日本学術会議は2015年、中国科学技術協会と相互協力する覚書を締結しています。

日本学術会議は、「防衛研究は認めないが、中国の軍事研究には参加する」という結構な反日組織になっているようです。

学問の自由という隠れ蓑を使って反日組織としての日本学術会議であるならば、その組織が政府予算に組み入れれる必然性は、ありません。

国民の知らないところで、着々と米中戦争は、始まっているのです。

つまり、中国は、「トゥキディディスの罠」で物理的な戦争に突入するのではなく、忍び寄る戦争をすでに始めているのです。

日本の野党は、日本学術会議の件で菅政権に戦いを挑んでいますが、彼らが政権に抵抗すればするほど日本を弱体化させる手助けをしていると考えられます。





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ポリーニベートーヴェン ピアノソナタ全集
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より
テンペスト、ワルトシユタイン、熱情
を聴く
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集
マウリツィオ・ポリーニ

ポリーニベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集がついに完結しました。最初のアルバムである第30番・第31番が録音されたのが1975年だったので、実に39年の年月を要したことになります。
ポリーニベートーヴェンソナタ・シリーズの単売CDアルバムは、全部で9点計11枚となりますが、全集ボックス化にあたって、2種類の録音がある作品についてはそれぞれ新しい方の1種類に絞り、またほぼ番号順に並べることにより、鑑賞時に便利なよう配慮されています。

ポリーニベートーヴェン・アルバムの軌跡】
30代
1975年6月、33歳で録音したベートーヴェン第1作がいきなり後期ソナタということで話題ともなった第30番・第31番は、ミュンヘンのヘルクレスザールで録音されたものでした。
続いて一年半後の1977年1月にウィーンのムジークフェラインザールで、同じく後期の第29番『ハンマークラヴィア』と、第28番・第32番を録音、以上計3枚のLPアルバムは、集中力の高い研ぎ澄まされた演奏により圧倒的な高評価を獲得、世界を驚かせました。なお、これら5曲の録音は、CD初期の1986年に2枚組アルバムとしてCD化され、CDのメリットでもあるピアノの減衰音の自然さを証明する優秀録音盤としても話題を提供していました。

40代
ポリーニベートーヴェンの続編が録音されたのは、そのCD化の2年後の1988年6月のことで、会場はミュンヘンのヘルクレスザール、曲目は第17番『テンペスト』・第21番『ワルトシュタイン』・第25番・第26番『告別』の4曲で、約71分というCD用の長時間収録と、有名作品主体の内容でベストセラーとなりました。
次のアルバムは、3年後の1991年6月に同じくミュンヘンのヘルクレスザールで収録。曲目は第13番・第14番『月光』・第15番『田園』の3曲で、これも有名作品主体の内容で人気を博しました。

50代
次は5年半後の1997年1月と2月にウィーンのムジークフェラインザールでライヴ録音されたもので、曲目は第11番・第12番、そして2度目となる第21番『ワルトシュタイン』の3曲。それまでセッション録音だったシリーズにライヴ録音が登場したことで、ワルトシュタインの新旧比較などで話題になったものでした。

60代
次は5年後の2002年6月にミュンヘンのヘルクレスザールで収録されたもので、曲目は第22番・第23番『熱情』・第24番『テレーゼ』・第27番の4曲。ボーナス・ディスクとして、同時期にウィーンのムジークフェラインザールでライヴ録音された第24番『テレーゼ』と第23番『熱情』が付属し、セッションとライヴの聴き較べで話題になりました。
次は3ヶ月後の2002年9月にミュンヘンのヘルクレスザールで収録されたもので、曲目は第5番・第6番・第7番・第8番『悲愴』の4曲。ポリーニ60歳の円熟の演奏です。
次は4年4ヶ月後の2007年1月にミュンヘンのヘルクレスザールで収録されたもので、曲目は第1番・第2番・第3番の3曲。

70代
次は5年後の2012年5月から6月にかけてミュンヘンのヘルクレスザールで収録されたもので、曲目は第4番・第9番・第10番・第11番の4曲。
最後は、2年後の2014年6月に録音されたもので、第16番・第17番『テンペスト』・第18番・第19番・第20番を収録しています。第17番『テンペスト』は2度目で26年ぶりの再録音ということになります。(HMV)

ポリーニベートーヴェンピアノソナタは、全集になる前から、単売のCDを5種類持っています。

テンペスト、ワルトシユタイン、熱情はそのうちの1つで、我が家の車で毎回聴いています。

今日は、全集から家で聴いてみました。

ポリーニベートーヴェンも素敵でした。

やはり家で聴くほうが良いですねぇ!