オオセッカは、中国東北部と日本のそれぞれごく限られた地域にしか分布していない珍しい野鳥です。日本のオオセッカは大陸の種と区別され、日本の準固有種なので、英名は、Japanese Marsh Warblerと言われています。以前は、オオセッカは、セッカの仲間と考えられて、セッカより少し大きいので、この名がつきましたが、今は、セッカ属でなく、センニュウ属に分類されていますので、昔の名前ででている野鳥のようですね。
確実な繁殖地は,現在では青森,秋田,利根川下流域からしか知られていないそうです。1993年に種の保存法施行に伴い「国内希少野生動植物種」に指定されていて、環境省レッドリスト)絶滅危惧IB類(EN)にも指定されている絶滅の恐れのある鳥です。
全長約13cm,昆虫を主食にしていて、草むらの中を移り渡り,雄は草上から空中に短く飛び立ちながらよくさえずります。
今日も、利根川下流域の堤防の下で、「ジュク・ジュク・ジュク〜 」とかなり特徴のある、大きな鳴き声が聞こえました。急いで、堤防を乗り越えて、声をたよりに探してみると、葦の茂みの中間で囀っています。この珍鳥を毎年撮影できる喜びを感じながら撮影しました。
閑話休題 −ヴィルヘルム・ケンプのブラームス ピアノ協奏曲 第1番
今日は、ブラームス;ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調
ウィルヘルム・ケンプ(P)、フランツ・コンヴィチュニー/ドレスデン国立管弦楽団
■ 録音年月 : 1957年5月モノラル録音のCDを聴いてみました。
今迄、私は、往年のドイツの名ピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプは、レコードでもCDでも聴いたことがありませんでした。高校時代にクラシック・レコードの手ほどきをしてくれた人が、「ケンプは、名声は、高いが、技術不足で、バックハウスの足元にも及ばない。」と言っていたので、その後のレコード収集で、バックハウスのLPレコードは、100枚近く買っていましたが、ケンプの演奏のレコードは、1枚も持っていませんでした。
最近、今までは、あまり聴かなかった、苦手なブラームスの作品なのですが、鳥の撮影の友人から、キャスリーン・フェリアー歌唱のブラームス作曲「アルト・ラプソディ」のCDを薦められて、聴いてみたところ、素晴らしかったので、食わず嫌いで、今まで聴いていなかったCDも聴いてみようと、たまたま、ケンプの10枚組の輸入盤CDが、目についたので入手してみました。
この10枚組CDは、ネット・オークションで、¥1,300.-と廉価だったので、ダメモトのつもりでした。
ところが、ベートーヴェンのピアノ協奏曲も、ピアノソナタも、バックハウスの演奏と雰囲気が相当違っていましたが、これはこれで、大家の演奏で、素晴らしいものでした。このCDセットの中に私の苦手なブラームスのピアノ協奏曲第1番が、入っていたので、試しに聴いてみました。
このCDのケンプの演奏は、コンヴィチュニーの指揮するドレスデン・シュターツカペレとの息もぴったりで、当時の東独でわざわざ録音したかいもあって、ブラームスのいぶし銀の良さをしみじみ満喫できました。
こんなことなら、今までに、一度だけでも、ケンプのCDを自分の耳で聴いてみるべきだったと悔やまれます。
現代の演奏は、テクニックが弱いと、コンクールで入賞できないので、皆さん優秀なテクニックなのですが、「皆、同じような演奏で面白みに欠ける」とも言われているようです。
ケンプの演奏も、とても味わいのある素敵な演奏だと思いました。「思い込みは、怖いもの」そんなことを感じてしまったCDでした。