なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

湖上のアカガシラサギのシルエット

晴天ならば明るいはずのこの時刻、まるで、残照が色あせて闇につつまれるような曇り空の下、アカガシラサギが、茂みからゆっくりと湖上に姿を現しました。

細かくさざめく波は、キラキラと輝き、鳥の姿ををつつみこみ、雲に遮られた柔らかな光を反射して、幽玄な「鳥の影絵」を作り出しています。秋の「あはれ」を感じさせます。

ふと、「三夕の歌」で有名な西行(さいぎょう)の歌と、昔、学校で合唱した「湖上の月」の歌が私の頭をよぎりました。


「心なき 身にもあはれは 知らりけれ
      鴫(しぎ)たつ沢の 秋の夕暮れ」(西行法師)




「湖上の月」  吉岡郷甫作詞 ロッシーニ作曲


一、
  月影さやけく風も吹かぬ秋の夜半
      眞澄(ますみ)の鏡か塵もおかぬ湖
    いざ吾が友小舟出せ
        いざ吾が友纜(ともづな)とけや
ニ、
  小波さざなみ)あや織り魚もをどる水のおも
      桂のさ枝か棹にかゝる水草
    いざ吾が友高く歌へ
        いざ吾が友舷(ふなばた)うてや