なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

晩秋のモズ

手賀川の葭原から堤防を越えて、モズが飛び出してきました。道路わきの枯草にとまっていましたが、すぐに、飛び立ってしまいました。

モズは、カワセミとおなじように、体のわりに頭が大きいので、とても可愛く見えるのですが、モズは、肉食で、実質的には、小型の猛禽です。肉食の鳥なので、クチバシは肉を引き裂きやすいように、先端が鉤状(かぎじょう)に曲がっています。
このモズは、過眼線が黒いので、オスのモズです。

枯草にとまっているモズをみると、いよいよ秋も深まって冬の到来を感じさせます。



    「冬木立ち ときどき鵙(もず)の
        高音(たかね)かな」 (村上 鬼城)








閑話休題ー2つのホロヴィッツトスカニーニチャイコフスキー作曲「ピアノ協奏曲1番」


今日は、久しぶりに、トスカニーニ大全集「Toscanini Collection」(84枚組CD)の中からチャイコフスキー作曲「ピアノ協奏曲1番」を聴いてみました。

この全集には、1941年、1943年の2種類のアルトゥーロ・トスカニーニ指揮,ヴラジミール・ホロヴィッツ(p)、NBC交響楽団 の演奏が収録されています。

・1941年はSPレコードのための録音で、

  1941年4月19日、ニューヨーク、カーネギーホール、ライブ

・1943年の録音は、戦争債券の購入者のチャリティーコンサートで

  1943年4月25日,ニューヨーク、カーネギーホール、ライブ

です。

両方の演奏を聴いてみると、録音も演奏も1941年のCDが、はるかに優っています。1943年の録音は、貧弱な録音のため、素晴らしいはずの演奏が、聴き取れません。

この1941年のCDは、数あるこの曲のCDのなかでも、歴史的名演として、有名で、ホロヴィッツ壮年期の「桁外れなピアニズムの神髄」を聴くことができます。

岳父である巨匠トスカニーニ指揮NBC交響楽団と、わたりあって火を噴くような、猛演奏をくりひろげています。リヒテル(P)、カラヤン指揮、ウィーン・フィルの演奏も競演ですが、この演奏のほうが、若々しくて、迫力ある演奏のように思います。

ホロヴィッツは、キラキラと輝く、美しく強靭で、多彩な音を作り出していて、自由奔放で、縦横無尽に流れる、すざまじい演奏をしています。

他の追随をゆるさない、「魔神」に魂を売り渡したような物凄い演奏です。



私が、チャイコフスキー作曲「ピアノ協奏曲1番」を、LPで最初に聴いたのは、高校生のころで、当時の廉価盤のフィリップ・アントルモン(P)、バーンスタイン指揮、ニューヨーク・フィルの演奏と記憶しています。

この曲は、華やかで、雄大な曲なので、とても気に入って、その後、リヒテル(P)カラヤン指揮、ウィーン・フィル、 ベルマン(P)カラヤン指揮、ベルリンフィル、 アルゲリッチ(P)アバド指揮、ベルリン・フィルなどもCDで、聴いてきました。

どの演奏も立派な演奏ですが、その中でよく聴くのは、1941年のホロヴィッツのこの猛演奏のCDと、それと好対照で、しっとりとしたベルマンのCDです。

その時の気分で、どちらかを聴くのですが、1943年のホロヴィッツのCDは、今回は、聴き比べましたが、ほとんど聴くことはありません。

1941年の演奏は、正に、「歴史的名演と呼ぶのにふさわしい演奏」だと、つくづく感じます。

ぐずついた寒い日にこの曲を聴くと、元気がわいてくるような気がします。


蛇足ですが、1941年のCDは、廉価盤レーベルMenbran Music Ltd.の「WRADIMIR
HOROWITZ」(10毎組セット)にも収録されているので、とても、お買い得(アマゾンで¥1,200.-くらい)だと思います。

こちらのCDのほうが、トスカニーニ大全集「Toscanini Collection」のCDより録音がよいように思います。