なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

師走の寒鵙(かんもず)

クリスマスは、「冬晴れ(ふゆばれ)の上天気になりました。快晴です。

冷え込んだ手賀沼遊歩道も、穏やかな陽が差しこんで、暖かく感じます。

モズが枯れ木にとまっていました。

黒い過眼線があるので、精悍(せいかん)な雄のモズです。

冬のモズは、寒鵙(かんもず)冬鵙(ふゆもず)といって、秋にあれほど鳴いたのに、ほとんど鳴きません。

秋、猛(たけ)るほど鳴いていたモズも、冬には枯枝にとまって静かに獲物をねらいます。


剣豪、宮本武蔵筆による水墨画「枯木鳴鵙図(こぼくめいげきず」(重要文化財)の寒鵙は、梢(こずえ)にとまる凛(りん)としたモズの厳しい姿を表していてとても印象的です。不敗の老剣豪の枯淡の境地が表現されています。


このモズは、厳しい表情で、獲物(えもの)を探していましたが、突然、近くの枝に飛び移りました。


モズが食べているのは、バッタやコオロギカマキリなどの昆虫類やドジョウのような魚類、アマガエルなどの両生類、カナヘビのような爬虫類、ネズミなどの哺乳類、メジロなどの鳥類と幅広い生き物です。

なんでも襲(おそ)う小さな猛禽(もうきん)がモズなのです。

つかまえた獲物を木の枝に突き刺したり、挟んだりして「速贄(はやにえ)」とするので、怖ろしい姿を想像しますが、以外にも、モズは精悍ですが、可愛さのある小鳥です。

飛び移った枝でも獲物を探していましたが、見つからないので遠くへ飛び去りました。




「人間を やめるとすれば 冬の鵙(もず)」    (加藤 楸邨(しゅうそん))