なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

水辺のセグロセキレイ

手賀沼遊歩道近くの水辺のセグロセキレイです。このちかくにはハクセキレイもよくみかけますが、うまくすみ分けているのでしょうか?

ハクセキレイセグロセキレイも共に人家に近いところでよく見かけます。人をあまり怖がりませんが、スズメと同じで、あまり近づくとうまくかわされます。

このセグロセキレイもカメラを構えると逃げ足が速くなりますが、飛んで逃げることはないようです。

もっと近づけば飛んで逃げるかもしれません。








閑話休題ー「アインシュタインロマン」のほろ苦い思い出


アインシュタインロマンは、1991年の4月から12月にかけて「NHKスペシャル」枠で放送された、全8回の物理学者アルベルト・アインシュタインをテーマにしたドキュメンタリー番組です。

じつは、私も一応この番組制作の関係者なのです。

この番組は当時はまだ珍しかったCG(コンピュータ・グラフィックス)を駆使した番組だったのです。

この番組に使うCGを制作するのに当時約4億円かかると見積もられていたようです。NHKは、CG以外での映像制作費用は負担できるのですが、この4億円の負担は困難だったようです。

そこで、「ハイビジョンCGラボ・プロジェクト」という計画構想がNHKエンタープライズと民間企業5社の予定で立ち上がったそうです。

約4億円の製作費は、CG企画会社を除いた民間企業4社が負担するというものでした。

ところが、この番組制作発表の一週間前になっても民間協力会社が3社しか決まっていませんでした。4社目に当てにしていた会社から断られてしまったそうです。

残りの一社をすぐに探さなければなりません。

ある日、昼食中の私に「知り合い」から電話が入りました。その内容は、当時私が勤務していた会社に「1週間以内で1億円の費用負担の協力会社になってくれ」との要請でした。

私は、アインシュタインの名前くらいは知っていましたが、特別の関心はありませんでした。でも、その番組の総指揮者のチーフプロデューサーが飲み仲間だったので、彼の仕事の危機をほっておくことはできませんでした。

とても急ぐ話なので「昼休み後に、とりあえず社長にお話してみます」と答えました。当時の私は、社長の特命担当プロジェクト・リーダーでした。

その後、この話はすぐに決定されたのですが、なんと、アインシュタインに何も関心のない私がこのプロジェクトの運営委員になることになりました。

運営委員会は、月に1回NHKエンタープライズの会議室で開かれ、その議題はハイビジョンCGラボの「組織と人とお金の話」ばかりをしていました。

この委員会は、番組の内容には、全く関与しなかったので、アインシュタイン相対性理論を理解していない私でもなんとか務めることができました。

でも、アインシュタインのことも何も知らないので内心は「まずいなぁ」と思っていました。

いまでは、なんの用事があったのか忘れたのですが、総指揮者のチーフプロデューサーの部屋で、彼から話を聞く機会がありました。

その部屋に入ってびっくりしました、天井から床までの壁に、アインシュタイン関連らしい書籍がびっしりと埋まっていました。

「NHKスペシャル」の番組の「総指揮者」は、とんでもない勉強をしているのだと圧倒されました。そこで、、彼の配下に30人くらいのプロデューサーがいることも知りました。また、そのプロデューサーの下に制作スタッフがいるそうで総勢100人以上もいるようなのです。

また、スイスでのアインシュタインの無名時代の海外調査、ヘブライ大学とかアメリカのカーネギーメロン大学などの資料調査の話など、彼の多くの苦労話を聞くことができました。

彼とは、それまでも何回か飲み屋で話をしていましたが、そんな時でも彼はアインシュタインの話を熱っぽく語っていました。しかし、アインシュタインにあまり関心のない私は適当に聞き流して真剣には聞いていませんでした。

彼がこんなに勉強していたと知っていたら、その話をちゃんと聞くべきだったと思うのですが、後の祭りです。

その後も何回か彼と会いましたが、お互い忙しくて、要件だけの立ち話ばかりでした。

現役を退き、暇になってから、今になって遅まきながらアインシュタインに関心を持っているのですが、当時の「ほろ苦い思い出」だけが頭をよぎります。

あの時、つまらない話をしていないで、彼からもうすこし詳しくアインシュタインの話を聞いていたらよかったのにと悔やんでいます。



          アインシュタインロマン

アインシュタインロマンは、1991年の4月から12月にかけて『NHKスペシャル』枠で放送された、物理学者アルベルト・アインシュタインをテーマにしたドキュメンタリー番組。全8回。

CG制作:ハイビジョンCGラボ(株式会社東芝、株式会社清水建設。株式会社東レ、株式会社キヤノン販売、株式会社イマージュ)、カーネギーメロン大学

(番組内容)

20世紀最大の物理学上の発見「相対性理論」と「量子力学」の成立と発展に深く関わったアインシュタイン。彼が到達した「知の世界」をデジタル技術を駆使して映像化。その広大な頭脳宇宙を旅する。
光とは?時間とは?宇宙を支配する法則の解明に挑んだ20世紀を代表する科学者アルバート・アインシュタイン特殊相対性理論から一般相対性理論へ、そして量子力学パラドックスとの対決。アインシュタインの生涯を振り返りながらその独創性の秘密に迫り、コンピュータ・グラフィックスやデジタル多重合成などの映像技術を駆使して、今まで不可能とされた量子力学の世界を映像化する。