なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

日没まで頑張るコサギ

夕闇がせまり、手賀沼が日没をむかえています。

そんな暗い湖面に白いものがかすかに動めいています。

コサギです。

まだお腹が減っているのでしょうか?
冷たく暗い湖面の中にコサギは佇んでいます。
寒風がコサギの羽をゆらしています。

こんなに暗くなってもコサギは、頑張っているのです。





閑話休題ーサミュエル・バトラーの箴言


ときどき、大学受験参考書の原仙作著中西道喜補訂の「英文標準問題精講」(旺文社)を見直しています。この本は単なる受験参考書だけではなく著名な作家の論文・小説・随筆などがいろんなジャンルで読めるので、いま、暇のできた私には、手ごろな読み物になっています。

英文の勉強のつもりはないので、その日の気分で、この本をめくった最初のページを読むことにしています。

今日めくったページに興味深いサミュエル・バトラーの文章がありましたのでこに抜き書きしてみます。

 To me it seems that youth is like spring, an overpraised season-- delightful if it happen to be a favoured one, but in practice very rarely favoured and more remarkable, as a general rule, for biting east winds than genial breezes. Autumn is the mellower season,and what we lose in flowers we more than gain in fruits.

Fontenelle at the age of ninety, being asked what was the happiest time of his life , said he did not know that he had ever been much happier than he then was, but that perhaps his best years had been those when he was between fifty-five and seventy-five,and Dr. Johnson placrd the pleasures of old age far higher than those of youth.

True, in old age we live under the shadow of Death, which, like a sword of Damocles, may descend at any moment, but we have so long found life to be an affair of being rather frightened than hurt that we have become like the people who live under Vesuvius, and chance it without much misgiving.
                 - The Way of All Flesh -


(原・中原先生の訳)

青年時代は春のようなもので、ほめられすぎる時期ーーー恵まれた時期であれば楽しいが実際には恵まれたものであることはめったになく、たいていは、心地よい微風よりもむしろ身を切るような東風が目立つ時期ーーーであると私には思われる。

秋のほうがそれよりもまろやかな時期であって花のないのは寂しいがそのかわりに実が熟すので、損失を償ってもなお余りがあるのである。

90歳のフォントネルは生涯でいちばん楽しい時代はいつかと問われて、今よりも幸福だった時代があったどうかは知らないがおそらく55歳から75歳にかけてが最も幸福な時代だったといったし、ジョンソン博士も老年時代の楽しみを青年時代の楽しみをはるか上位に置いた。

なるほど、老年時代には、われわれは死の恐怖につきまとわれて暮らし、死が、ダモクレスの剣のように、いつ何どきわが身に落ちかからないとも限らないが、人生というものは、けがをするよりはむしろびっくりする程度ですむものだということを、長いあいだ知っているので、ヴェスヴィアス火山の下で暮らしている人たちのようになってしまって、たいした心配もせずに運を天にまかせて暮らすのである。」

となっています。

これを読んで、私の今の時期はとてもいい時期なのだなぁと嬉しくなりました。