なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

手賀沼遊歩道でさえずるオオヨシキリ

4月18日の午前中、手賀沼遊歩道の滝下広場の前の葭原で、オオヨシキリの声が聞こえました。

枯れた葦にとまって、あたり一面に聞こえるように大声でギョギョシ、ギョギョシとなわばり宣言しています。

今年も手賀沼遊歩道に夏がやってきました。この声が暑い夏を持ってくるような鳴き声です。


こんな小さな鳥がはるばる海を渡ってやってくる!しかも元気に鳴いている!


すごいことですねぇ〜!



そんな鳴き声を聞いていると、草野心平(くさのしんぺい)の詩 「富士山 作品第肆(さくひんだいし)」を思い出しました。




        富士山 作品第肆



川面(づら)に春の光りはまぶしく溢(あふ)れ。

そよ風が吹けば光りたちの鬼ごつこ。

葦の葉のささやき。葦の葉のささやき。

行行子(よしきり)は鳴く。

行行子の舌にも春のひかり。

土堤(どてい)の下のうまごやしの原に。

自分の顔は両掌(りようて)のなかに。

ふりそそぐ春の光りに却(かえ)つて物憂(ものう)く。

眺(なが)めてゐた。


少女たちはうまごやしの花を摘(つ)んでは巧(たく)みな手さばきで花環(はなわ)をつくる。

それをなわにして縄跳(なわと)びをする。

花環が円を描くとそのなかに富士がはひる。

その度に富士は近づき。とほくに坐(すわ)る。

耳には行行子。

頬にはひかり。