なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

チョウジソウ(丁字草)

埼玉県の雑木林の湿地に咲くチョウジソウです。

ネットのWeblio辞書によれば、

ちょうじそう(丁字草)

●北海道の南部から本州、四国、九州それに朝鮮半島、中国に分布しています。

川岸などの湿った草地に生え、高さは40〜80センチになります。葉は披針形で互生します。5月から6月ごろ、茎の先の集散花序に淡い青紫色の花を咲かせます。名前は、花冠が高坏形で筒部は細く、横から見ると丁の字に似ていることから。

キョウチクトウ科チョウジソウ属の多年草で、学名は Amsoniaelliptica。英名はありません。

Wikipedia によれば

本種はフジバカマなどと同様に、かつては全国的に分布する普通種であった。近年になり減少が著しく、

2000年版環境省レッドデータブックでは、100年後の絶滅確率が約 97% と推計され、絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されていた。

2007年8月の新しい環境省レッドリストでは、準絶滅危惧(NT)に評価替された。

減少の原因は、一つには自生適地である湿地の人為的開発・造成や護岸工事などに伴う生育地の喪失である。もう一つは、そのような地域の一部は農業のために定期的に攪乱を受けて草地を保っていたものが、農業の変化に伴い手入れが行われなくなったことによって植生の遷移が進んで草地でなくなったことが挙げられている。

ほとんどの都道府県では、野生絶滅あるいは絶滅危惧種に指定されている。

と書かれており、相当稀少な植物のようです。


森蔭にひっそりと、つつましく、静かに咲いていました。



「ちょうじ」という言葉から,ヤマトタケルの陵とされる前方後円墳「丁字(ちょうじ)塚」と,
彼の絶唱歌を思い出しました。

<注)明治12年に内務省亀山市の能褒野神社西にあると呼ばれる丁字塚をヤマトタケルの陵と
指定したそうです。



  
   「やまとは くにのまほろ

       たたなづく あおがき

       やまごもれる やまとしうるはし」

                  倭建の命 (古事記


    



 ヤマトタケルはその陵から一羽の白鳥になり空へ舞い上がり,大和の方へ飛んでいったそうです。


チョウジソウは、こんなことを連想させる凛とした美しさをもつ花のようです。