なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

渓流のクロツグミ

緑陰の渓流の梢(こずえ)からクロツグミの綺麗な鳴き声が聞こえます。

高村光太郎は、 鳴き声をこのように聞きなしています。


        クロツグミ
               作詩 高村 光太郎
 クロツグミなにしゃべる。
 畑の向うの森でいちにちなにしゃべる。
 ちょびちょびちょびちょび、
 ぴいひょう、ぴいひょう
 こっちおいで、こっちおいで、こっちおいで、
 こひしいよう、こひしいよう、
 ぴい。
 おや、さうなんか、クロツグミ


北原白秋


「黒鶫(くろつぐみ) 野辺にさへずり 唐辛子(とうがらし)
                  いまし花さく 君はいずこに 」 



などと詠んでいるようにクロツグミの鳴き声は素晴らしいようで、日本三鳴鳥(ウグイス、オオルリコマドリ)には入っていないのですが、文人によく詠まれているようです。

そんな鳴き声が聞こえる緑陰の渓谷の河原にクロツグミが2羽やってきました。

オスとメスのようです。

オスは目立つところに出てくれるのですが、メスはオスの近くに見え隠れしているのですが、なかなか姿を見せません。

オスは、さも忙しそうに、河原の倒木や大きな石の上を飛び跳ねて移動し、地面の落ち葉などをクチバシで飛ばしながら、ミミズや昆虫類を探して採食しています。


クロツグミは英名、Japanese Grey Trush と言われるように、主に日本の山間部で繁殖する夏鳥のようです。
また、クロツグミは、全長22cmでつぐみの仲間の中では最も小さいそうで。クチバシと足の黄色が印象的なツグミです。

オスメス並ぶのを待っていましたが、実現しませんでした。

少し遠出をしたので、メスの撮影は諦めて帰途につきました。