ハマシギが飛んで干潟に舞い降りました。ハマシギの群れは最初は集団でいましたがそのうち思い思いに離れ出て各自エサを採りはじめました。
ハマシギがあちこち歩き回っていると干潟の貝が盛大に汐を飛ばしてシャワーのように降り注いでいます。
もう初夏の風情です。
今は、すっかり夏羽になってお腹が黒くなっています。
ハマシギは、谷津干潟でよく見かけるシギで、毎年ここで3000羽近くが冬を越すそうです。
ハマシギ(全長21cm)は、「浜シギ」の名前のとおり、海岸、入り江、大きな川の河口などに多く見られ、真水の湿地に来ることはほとんどないようです。
また、このシギは、数万羽に及ぶ大群を作る習性があるそうで、この干潟でも大群が一斉に飛ぶ姿は白くキラキラ光って壮観です。古語では他のチドリ類などとともに、浜辺に住むチドリ(シギ類を含む)という意味で「ハマチドリ」と呼ばれていて、和名の由来は、浜辺で見られるシギ類の意味からきているそうです。他のシギ類同様肉食性で、地上で貝類、甲殻類、ゴカイ、昆虫類などを捕食するようです。
大正8(1919)年11月、『少女号』に発表した作詞:鹿島鳴秋、作曲:弘田龍太郎の童謡「浜千鳥」がありますが、とても物悲しい歌です。
ハマシギを見ていると、とても楽しそうなのでここで詠まれている鳥は、ハマシギでないのかもしれません。
♪♪ 「浜千鳥」
作詞:鹿島鳴秋、作曲:弘田龍太郎
1 青い月夜の浜辺には
親を探して鳴く鳥が
波の国から生まれ出る
濡れた翼の銀の色
2 夜鳴く鳥の悲しさは
親をたずねて海こえて
月夜の国へ消えてゆく
銀のつばさの浜千鳥
「忘られむ 時しのべとぞ 浜千鳥
行方も知らぬ 跡をとどむる」 (古今和歌集 雑下)