なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

市川市動植物園のバラ「マダム サチ」

金田一春彦著「ことばの歳時記」の「日本のバラ」の説明に面白いことが書いてあるので少し長い文章ですがご紹介してみます。



「古典的なウメ・キクからはじめて、百合子、蘭子、あるいは新しい傾向のすみれやカンナに至るまで、日本では各種の植物の名、花の名を女の子につけるにもかかわらず、
花の女王ともいうべきバラをとってバラ子とつけた名前は聞かないようだ。

これは日本人がバという濁音で始まる音をきらうためである。
それはもし英語でローズというときは、コロムビア・ローズのように、
さっそく名前に採用されていることからも知られる。

しかし、濁音で始まることばをきたなく感じるのは、日本語を使う民族の特性ともいうべきで、たしかに日本語には、デブとかビリとかバカ、ボケという、よくない意味を持ったことばがたくさんあるが、英語などではベストといい、ビューティフルといい、濁音ともいうべきよいことばがたくさんある。

日本人の音感覚もそろそろちがってくると、
野中ばら代さんなどという名前が戸籍に登録されるかもしれない。」


そういえばユリなどは、女優の吉永小百合さんなどにも使われていますが、バラの名前はあまり聴きませんね〜。

このバラ園の白いバラ{マダム サチ」は、フランスのミッテラン元首相の奥様から日本の元首相「鈴木善幸」氏の奥様「鈴木さち」さんに贈られ「さち」の名前を冠したバラのようですが、このお名前も濁音の名前ではないですね。

この白い花はとても清楚で美しい花ですねぇ〜


ネットの「バラ図鑑」によれば、

品種名:マダム サチ
    Mme Sachi
別名:ホワイト サクセス
系統:[ HT ] ハイブリッドティーローズ
作出:フランス
作出年:1984
花色:ホワイト
花型:半剣弁高芯咲き
花径:大輪 12cm
樹形:半直立性
花季:四季咲き

とのことです。




「薔薇を愛するは げに孤独を 愛するなりき
           わが悲しみを 愛するなりき 」

               (若山牧水