先日掲載したアオバズクの親子は下の3羽の子供たちでしたが、その少し上に2羽の子供たちがいました。
昼なので眠いのでしょう。寝てばかりで、なかなか置きません。1羽が起きても、もう1羽は寝ています。2羽とも寝ているのがほとんどです。2羽同時に起きるのを待っていましたが起きてくれませんでした。
その近くの別の木にこの子供たちを親が見守っています。時々、起きて警戒しているようです。
アオバズクは、昔は、全国にたくさん飛来してよく見かけるフクロウの仲間でしたが、近年はその数を減らしているので、地帯別危惧種(ちいきべつきぐしゅ)に指定され、千葉県ではアオバズク は最重要保護生物(A) に指定されています。
この千葉県の鎮守の森でも夏休みの子供たちがお父さんに連れられてアオバズクを見に来ていました。
子供たちが騒いでもここのアオバズクは、あまり気にしていない様子でした。
人家の近くに来るアオバズクなので大事にしたいものです。
閑話休題ー即身成仏(そくしんじょうぶつ)
夏の暑い時期に密教(みっきょう)の本を読むのも楽しみのひとつです。
今日は弘法大師(こうぼうだいし)空海(くうかい)の「即身成仏義(そくしんじょうぶつぎ)」を読んでみました。
「即身成仏」という言葉は、空海の思想の重要な言葉と言われています。
「即身成仏義」は、最初に空海の偈頌(げじゅ)があり、その後にその偈頌を解説するという形式になっています。「即身成仏義」の偈頌は、次の美しい言葉から始まります。
六大無碍にして常に瑜伽なり (ろくだいむげ)にして常に瑜伽(ゆが)なり
四種曼荼おのおの離れず (ししゅまんだ)各(おのおの)離れず
三密加持すれば速疾に顕はる (さんみつかじ)すれば速疾(そくしつ)に顕(あら)わる
重重帝網なるを即身と名づく (じゅうじゅうたいもう)なるを即身と名づく
この後次のように続いてゆきます。
法然に薩般若を具足して
心数心王刹塵に過ぎたり
各五智無際智を具す
円鏡力の故に実覚智なり
今回は、最初の部分だけ考えてみます。
(意訳)
宇宙を構成する六大(ろくだい)は、お互いに妨(さまた)げがなく
それらは常に溶け合っています。
そして四種の曼荼羅(まんだら)は互いに離れることなく作用しあっています。
仏(ほとけ)と衆生(しじょう)の間でなされる三つの働きを加地(かじ)することによって
宇宙の根源仏である大日如来と一体となって成仏(じょうぶつ)を可能にするのです。
もう少し詳しく見てみますと
「六大無碍(ろくだいむげ)にして常に瑜伽(ゆが)なり」この偈(げ)は、この世界の存在のあり方を表しています。
大乗仏教では一般に、世界の構成要素を五大から成り立っていると考えています。五大とは、地・水・火・風・空 の五つを意味します。
空海はこれに識(しきー精神要素)を加え、この世界の本質的な存在(実在)の象徴として六大を使用しています。
空海は、この世界の本質的な存在(実在)は、他と関係なく独立して存在しているのではなく、互いに関係し合うなかで存在しているのです。
仏(だいにちにょらい)の三密(身密、語密、心密)は、凡夫(ぼんぷ)の私たちの三業[さんごう= 身・口・意(しん・く・い)の三つで起こす「業」(ごう)]と同じで、真言密教(しんごんみっきょう)の行者(ぎょうじゃ)が手で印契(いんげい)を作り口で真言(しんごん)を誦し(じゅし)心を法身如来(ほうしんにょらい)に近づけていくと、それらは相互にまじりあい、如来(にょらい)と衆生(しゅじょう)の三つの行動が加地感応(かじかんのう)して全知全能(ぜんちぜんのう)の大日如来(だいにちにょらい)と一体になります。
帝釈天(たいしゃくてん)の宮殿を飾る珠(たま)をちりばめた網(あみ)[=重重帝網]のように大日如来の身・口・意(しん・く・い)は、いたるところに行きわたっていて、大日如来と私たちは一体になれるのです。
こんな文章を読んでいると、何か力が湧いてきて、この猛暑もあまり気にならなくなりますねぇ〜。