なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

ひとり佇む真紅の薔薇「メリナ」

秋のバラのシーズンの前,バラ園は、立ち寄る人も無く,ひっそりと静まり返っています。

剪定された花のついていないバラの木々の中に、一輪,赤い花が気高く咲いています。

あたりの木々には花が一つもありません。

誰もいないバラ園に,この花だけが君臨しています。

秋の淡い光をあびて真紅の花が輝いています。

花の名前を書いたプレートを見たら「メリナ」と書いてありました。


バラ園に一人たたずんでいると感傷的になり、国木田独歩の次の詩が頭をよぎりました。



「秋の入日」  国木田独歩(くにきだどっぽ)



要(よう)するに悉(みな)、逝(い)けるなり!
在(あ)らず、彼等は在らず。
秋の入日あかあかと田面(たのも)にのこり
野分(のわき)はげしく颯々(さつさつ)と梢(こずえ)を払(はら)ふ
うらがなし、あゝうらがなし。

水とすむ大空かぎりなく
夢のごと深き山々遠く
かくて日は、あゝ斯(か)くてこの日は
古(いにしへ)も暮れゆきしか、今も又!
哀(かな)し、哀し、我こころ哀し。







閑話休題ー「芦野宏(あしのひろし)」のシャンソンを聴く



最近NHKアーカイブズ「あの人に会いたいー芦野宏」の再放送をBSで観ました。

その放送の説明文をそのまま以下に記載します。

「戦後日本のシャンソン・ブームの立役者のひとり芦野宏。「ラ・メール」「幸福を売る男」など、その甘くさわやかな歌声は本場フランスでも高く評価され、平成2年にはシャンソンを通じて日本とフランスとの文化交流を進めた功績により、パリ市長からパリ市ヴェルメイユ勲章が贈られた。
芦野宏は昭和2年、東京生まれ。根っからの音楽好き。歌手を目指し周囲の反対を押し切って東京芸術大学声楽科に進学。しかしオペラやクラシックの猛勉強が災いし、声が出なくなる音声障害をおこしてしまう。失意の芦野を救ったのは進駐軍放送のビング・クロスビーの歌声だった。そのしゃべるように歌い、歌うようにしゃべる歌い方に感動。無理なく自然に歌う歌い方が自分に合っていることを発見する。昭和28年、NHKラジオ「虹のしらべ」で歌手デビュー。聴取者のリクエストで歌ったシャンソン「ラメール」が大評判になり「シャンソン歌手・芦野宏」と呼ばれるようになる。その後たちまちシャンソン・ブームを巻き起こし、紅白歌合戦10連続出場を果たし、憧れのパリのオランピア劇場での公演でも大成功をおさめた。自然体で自分らしく歌うことに徹した歌手人生が語られる。」


そこで、久しぶりに「芦野宏」のシャンソンのCDを聴いてみました。



CD「芦野宏の世界ー私のシャンソン史ー」

(収録曲)
1)ミラボー
2)昔きいたシャンソン
3)パリの橋の下
4)パパと踊ろうよ
5)セ・シ・ボン
6)いつの日か
7)ラ・メール
8)小さなひなげしのように
9)夜のヴァイオリン
10)私の回転木馬
11)さくらんぼの実る頃
12)モンテカルロの一夜
13)ア・パリ
14)パリ野郎
15)奥様お手をどうぞ
16)エルザの瞳
17)フルーツサラダのうた
18)愛の讃歌
19)雪が降る
20)パリ祭
21)カミニート
22)小さな喫茶店
23)カナダ旅行
24)幸福を売る男
25)小雨降る径
26)枯葉
27)人生に乾杯


彼の甘い歌声は。ずっと聴いていたい心地よい気持ちにさせてくれます。

どの歌もとても素敵ですが、私は「夜のヴァイオリン」が大好きです。

芦野宏さんが、昔、大晦日の「紅白」で歌った「幸福を売る男」や、「パパと踊ろうよ」もいいですね。

秋の夜長にシャンソンを聴くのもいいですよ。