稲敷市浮島(いなしきしうきしま)の「れんこん畑」でセイタカシギが採食していました。
まだ上がり切らない太陽の光線が「れんこん畑」を淡いピンクに染めて穏やかな朝の雰囲気を漂わせています。
セイタカシギは、江戸時代では、迷鳥としてしか見られなかったので、幕府の若年寄(わかどしより)の堀田正敦(ほった まさあつ)が書いた江戸時代最大の鳥類図鑑である「観文禽譜(かんぶんきんぷ)」の中のセイタカシギの図版は、中国18世紀、中国の清王朝3代の皇帝に仕え、時の有力な大臣で政治家、軍人でもあった余曽三が、康熙帝(こうきてい)の命により100 種の鳥を写生した「百鳥図」の「水喜鵲」からとっているそうです。
当時の中国では、水喜鵲は、とても「縁起のよい鳥」で「めでたい鳥」だったとのことです。
セイタカシギは、現在では、全国に旅鳥として記録があり、局地的に繁殖していますが、それでも環境省レッド・リストの絶滅危惧Ⅱ類(VN)に指定されている希少種です。
茨城県とくに霞ヶ浦周辺は日本一のれんこんの産地です。見渡すかぎり広がるハス田はまさに絶景。その収穫風景は風物詩の一つとなっているようです。
稲敷市浮島のれんこんはとくに東京の市場に出荷されており、霞ヶ浦周辺のものも含めるとそのシェアは80%をこすほど。鮮度、品質、食味において圧倒的な信頼を得ているそうです。
正月のおせち料理にも使われる「れんこん」の畑のセイタカシギは、まさに「水喜鵲」にふさわしい「おめでたい鳥」なのでしょうね!