なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

蜃気楼(しんきろう)の洋上を飛ぶミサゴ

1月18日九十九里海岸は晴れ、寒風吹きすさぶ寒い朝、太平洋上にビル群が浮かび上がっています。

蜃気楼の浮島現象(うきしまげんしょう)のようです。

蜃気楼(しんきろうmirage)は、光の異常屈折現象の一つで,像の位置がずれたり,倒立したり,実在しない像が現れたりする現象の総称をいうそうです。

つまり地面や海面の温度と気温との差が大きいとき,地面や海面付近に著しい気温の鉛直および水平の変化が起こり,地表とほぼ平行に走る光線がまっすぐ進まず,異常に屈折するために生じる現象です。

浮島現象は、蜃気楼の一種で海水が暖かく空気が冷たいときは下位蜃気楼 (浮島現象)、海水が冷たく空気が暖かいときは上位蜃気楼で見え方が異なるとのことです。

発生頻度としては浮島現象のほうが圧倒的に多く発生しているようです。

蜃気楼は、かって日本海の魚津で見たことがありますが、九十九里の海岸でも見れるのですね!

その時、九十九里洋上を魚を探しながら魚専門の鷹ミサゴが飛んでいました。

ミサゴも環境省レッドリスト2014で準絶滅危惧種(NT)に指定されている希少種です。

海面をじっと見つめながら飛んでいます。

ファインダー越しにミサゴを見たら目があったように感じました。

こちらを見つめたミサゴは、なかなかするどい顔つきでした。

ミサゴは蜃気楼が出ていようが、いまいが、素知らぬ顔で無頓着に飛んでいきました。

蜃気楼は、ジュディ・オングレコード大賞曲「魅せられて」の中の歌詞にもとりあげられ割に身近な存在なのですが、まだ、一度も見たことがない人も多いようです。

また、芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)の短編「蜃気楼」の中で「湘南(しょうなん)の鵠沼(くげぬま)の蜃気楼」を見に行くお話が出てきます。ここの蜃気楼も浮島現象の蜃気楼ではないかと思われます。

地元の千葉県で蜃気楼の浮島現象が見れたので、何故か感動し、なにか得した気分になりました。



九十九里海岸の蜃気楼112mmで撮影

同一画像を望遠側に拡大しましたービル群が洋上に浮いています。

九十九里海岸を飛ぶミサゴ