なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

外房の珍客ケイマフリ

今年の1月17日に見たケイマフリは、昨年3月9日に見たケイマフリと同じ内海(うちうみ)で同一の行動をしていました。昨年見たケイマフリと同一個体かもしれませんが、はっきりしません。

昨年3月9日に撮影したケイマフリ(以下3枚の写真)




環境省レッドリスト2014のケイマフリの解説によれば、

ケイマフリは、中型のウミスズメ科の海鳥で日本海オホーツク海を中心に分布し太平洋沿岸では日本だけに繁殖地がある。(中略)国内では北海道と本州北部に繁殖地があったが、本州の広い地域で繁殖地が消失し,北海道でも繁殖地の広域調査が望まれる。

とのことです。

ここのケイマフリは、昨年も今年も一羽しか見かけていないので繁殖が心配になりますね!
それでもこのケイマフリは、この内海を自分の庭のように楽しげにスイスイ泳いでいました。

ケイマフリという変わった名前の野鳥は、留鳥として北海道羽幌町天売島、知床半島積丹半島など北日本の各所に繁殖地が点在するそうです。

冬鳥として関東以北で越冬するようですが、沖合にいることが多くて近くで姿を見る機会は少ないようです。

このケイマフリは、外房の内海を泳いでいたので、間近に見ることができました。

白いメガネをかけたようなひょうきんな顔立ちの海鳥です。ほのぼのとした好感の持てる鳥で私のお気に入りの鳥のひとつです。

泳ぎは、得意のようで、かなり速いスピードで泳ぐことができます。突然、海面から立ち上がって羽ばたいたりします。魚などを食べるために何回も潜ります。

潜った瞬間に赤い足が見えます。潜るとなかなか浮上しないで、思わぬところから浮上します。

ケイマフリは、繁殖地でハシブトガラスオオセグロカモメなどに食べられる危険性が大きいため減少傾向にあるようです。

絶滅が心配されていて、 絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)に指定されている稀少な鳥なのです。

ハトより少し大きく(体長40cm)で夏羽は全身が黒で、目のまわりから目尻にかけて白いそうですが、冬羽は目のまわりの白が小さくなってアイリングとなり、喉から腹にかけて白くなっています。

「ケイマフリ」という名称は将棋の「桂馬」からきているのではなくて、アイヌ語名のケマフレ(kemahure「足が赤い」の意)に由来し、地方によっては漁師さんが「アカアシ」と呼んでいるそうです。

潜水して魚や小型のカニなどの甲殻類などを食べているようです。

この鳥に出会うと、とてもユーモラスな可愛い鳥なので、なにかほんわりした気分になりますね。


以下は、2015年1月17日に撮影したケイマフリの写真です。