なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

井頭公園の残雪の中の蝋梅とルリビタキ

1月30日は関東地方でも雪が積もりました。その翌日の井頭公園は、駐車場や遊歩道は昨日の残雪は跡形もありませんでしたが、それでも公園の林の中はまだ残雪のある場所もありました。

このブログで1月15日掲載したルリビタキ♂がいた蝋梅(ろうばい)は、今、ほぼ満開となって残雪の中に輝いていました。

今回はルリビタキ♂は来てくれませんでしたが(この蝋梅の付近にルリビタキ♀がいました)残雪の中の満開の蝋梅を撮影することができました。

残雪の中に輝く黄色の満開の花は、「春を告げる花」であり、「冬来たりなば、春遠からじ」の言葉を連想させます。

「冬来たりなば春遠からじ」という言葉は、漢詩の一節かと思われるかもしれませんが、実は、イギリスの近代詩の翻訳です。

この言葉は「逆境を跳ね返す」意図を持っているように思われます。

「冬来たりなば、春遠からじ」は、イギリスの詩人パーシー・シェリーが1819年に詠んだ詩集「西風の賦(にしかぜのふ Ode to the west wind)」の5節の最後にある言葉として知られています。

「荒々しい西風は秋の息吹で、枯葉が舞うが、種を吹き飛ばし、やがて妹の春風が吹くと、眠れる大地を呼び覚まし、木々のつぼみに生気を吹き込む」と詠(うた)っています。


風よ、予言のラッパを吹き鳴らせ
The trumpet of a prophecy! O Wind,
冬来たりなば春遠からじ
If Winter comes, can Spring be far behind?

以下に,岩波文庫「イギリス名詩選」から「西風の賦」5節の原文を抜き書きしてみます。

  Make me thy lyre, even as the forest is:
  What if my leaves are falling like its own!
  The tumult of thy mighty harmonies
  Will take from both a deep, autumnal tone,
  Sweet though in sadness. Be thou, Spirit fierce,
  My spirit! Be thou me, impetuous one!
  Drive my dead thoughts over the universe
  Like withered leaves to quicken a new birth!
  And, by the incantation of this verse,
  Scatter, as from an unextinguished hearth
  Ashes and sparks, my words among mankind!
  Be through my lips to unawakened earth
  The trumpet of a prophecy! O Wind,
If Winter comes, can Spring be far behind?




1月31日撮影の井頭公園と残雪の中の蝋梅






参考:1月14日撮影のほとんど咲いていない蝋梅にとまるルリビタキ


1月31日撮影の蝋梅付近にいたルリビタキ