なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

春に叫ぶカワセミ

「よろこびか のぞみか我に
         ふと来たる 翡翠の羽の かろきはばたき}

                (片山廣子 「翡翠」より)

注)翡翠:(ひすい)は、カワセミの別名


久しぶりに近くの公園に行ってみました。

公園の池に魚を求めてカワセミがやってきました。

岩の上から魚を狙っています。オスのカワセミです。

飛び込んで魚を捕らえて飛び去りました。

対岸の池に突き出た枝にカワセミのメスがやってきて羽繕いをしていましたが、突然、何かを叫びました。

実は、カワセミは、3月〜4月頃に繁殖期に入り、巣づくり、求愛給餌、交尾ととても忙しい時期を迎えます。

春はカワセミの「恋の季節」なのです。

繁殖期にはオスがメスへ獲物をプレゼントする「求愛給餌(きゅうあいきゅうじ)」活動がみられ、カップルが成立すると、土手の斜面などにくちばしと足を使って、奥行き40〜90センチメートルの巣穴を掘ります。この穴で、4〜7個の卵を産んで「子育て」に入ります。


つまり、この公園のメスのカワセミが叫んだのは、さっき魚をとらえて飛び去ったオスを呼ぶためだったのです。

この近くにいたオスは、メスの声をききつけて、すぐに飛んできましたが、メスは、その姿を見た瞬間、なんと別な場所に飛び去りました。

ここのカワセミたちは、こんな「鬼ごっこ」を繰り返しながら「愛」を深めていき、近いうちにカワセミのカップルが誕生(たんじょう)することでしょう。

今、正にカワセミの「愛の季節」が始まりました。




オリンパス ミラーレス一眼 OM−E E−M1(パワーバッテリー・ホルダー HLD−7付).ズーム・レンズ ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II で手持ち撮影
オスのカワセミ


メスのカワセミ