なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

路傍に咲くカンナ

「いくつより としよりならむ カンナ燃ゆ」    (久保田万太郎


少しでも若くありたいと願っているような俳句です。

路傍にカンナの花がひっそりと咲いていました。

カンナは中南米、熱帯アジア原産の球根植物で、アメリカ大陸発見後ヨーロッパに伝わり、日本にも江戸時代前期に原種の1つであるカンナ・インディカが「ダンドク(檀特)」の名で渡来したといわれています。ダンドクは小柄の花で、普通見るカンナとは雰囲気が異なります。

カンナが、園芸品種として全国に広がったのは明治以降とのことです。

開花時期は、 6/20 〜 10/10頃で、夏のあいだじゅう咲き続けます。


「鮮やかな花」なのでカンナは、人を連想するようです。


八月、悼(いたむ)中村草田男氏


「庭にカンナ 心にカンナ 相対す」     (加藤楸邨


中村草田男は昭和58年8月5日に亡くなっているので、この句は、加藤楸邨(かとう しゅうそん)が、庭のカンナを見ていると、「彼の中の心のカンナ」=中村草田男(なかむらくさだお)が、眼前に屹立(きつりつ)すると詠(うた)っています。


久保田万太郎の句も加藤楸邨の句も、今の私のように、「年寄り」になってみると、身にしみる句に思えてなりません。

蒸し暑さに耐えて鮮やかに咲くカンナの花は、「華やかの中に憂い」があり、そんなことを感じさせる花なのでしょうか?

カンナの花言葉は、真夏の日ざしに負けない強さと華やかさを示す「情熱」「快活」と、花の鮮やかさからくる「妄想」です。