なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

草の中に飛び込むオオヨシキリ

印旛沼のヨシにとまっていたオオヨシキリが、堤防を飛び越えて道路わきの草むらの草にとまりました。

その草にとまってキョロキョロしていましたが、草の中に飛び込んでいきました。



{ 能なしの 眠ぶたし我を 行々子」    (松尾芭蕉










喫茶去ーシューベルトの歌曲「夜と夢」を聴く


最近,寝苦しい夜が続いています。そこで、綺麗な夢が見れるように、シューベルトの歌曲「夜と夢」を聴いてみました。

今回聞いたCDは、以下のルネ・フレミング歌唱、エッシェンバッハピアノの「野ばら〜シューベルト名歌曲集」収録の6番目の「夜と夢」です。

「野ばら〜シューベルト名歌曲集」

ルネ・フレミング(ソプラノ)、クリストフ・エッシェンバッハ(ピアノ)
録音:1996年6月 タングルウッド〈デジタル録音〉

(収録曲)

1.野ばら D.257 2.ます D.550 3.ナイチンゲールに寄せて D.196
4.春に D.882 5.若い尼僧 D.828 6.夜と夢 D.827 7.水の上で歌う D.774
8.アヴェ・マリア D.839 9.春の想い D.686 10.糸を紡ぐグレートヒェン D.118
11.君こそは憩い D.776 12.死と乙女 D.531 13.すみれ D.786
14.男ってみんなやくざなもの D.866の3

この曲は夜と夢の静かな訪れと明日もまた訪れて欲しいとの願望が詠われていて、静かな夜を表現するようにゆっくりしたテンポではじまるロマンチックで美しい歌曲です。

夏の夜に聴く「夜と夢」ではフレミングの澄んだ歌声はこの曲にふさわしく涼しげに聴こえます。

男性の歌う「夜と夢」のCD、たとえばテノールのイアン・ポストリッジや、大御所のバリトンのフィッシャー・ディスカウの歌唱もいいですが、夏の夕べに聴くにはソプラノのルネ・フレミングがお勧めです。また、私の好みからすれば次点はポストリッジです。

また、共演のエッシェンバッハのピアノも。さすがに指揮者だからか?この曲の出だしが「忍び寄る夜」を連想させ、その後に続くフレミングのゆったりと歌う素敵な歌唱を引き出している演奏です。

シューベルトの歌曲は、暗い内容の詩が多い中で、マテウス・フォン・コリン作詞の「夜と夢」の歌詞は、とても美しい歌詞なので、以下にご紹介させていただきます。


Nacht und Träume
 Matthäus Casimir von Collin

Heil'ge Nacht, du sinkest nieder;
Nieder wallen auch die Träume
Wie dein Mondlicht durch die Räume,
Durch der Menschen stille Brust.
Die belauschen sie mit Lust;
Rufen, wenn der Tag erwacht:
Kehre wieder, heil'ge Nacht!
Holde Träume, kehret wieder!


(意訳)

夜と夢
作詞 マテウス・カシミル・フォン・コリン

  浄らかな夜よ、あなたは沈み下りてくる、
 すると夢もまた静かに歩み下りてくる、
 あなたの月の光が空中に差し込むように、
 人々の静かな胸の中へと。
 人々は楽しく夢に耳を澄まして、
 朝日が目覚めると、こう呼びかける、
 また戻っておいで、浄らかな夜よ!
 いとしい夢よ、帰ってきておいで!